概要
「児童漫画や劇画と一線を画する」漫画の掲載媒体として創刊された雑誌『漫画讀本』(文藝春秋、1954年創刊)に掲載された大人向けの漫画のこと。彼らの多くはアメリカのナンセンス漫画の影響を受けた「漫画集団」を活動拠点にしていた。また、のちに『漫画サンデー』(実業之日本社、1959年創刊)が創刊されたほか、『オール讀物』などの文芸誌にも大人向けのユーモア漫画が掲載され、これらも「大人漫画」と呼ばれるようになる。
1970年、赤塚不二夫らによるギャグ漫画の台頭に食われて『漫画讀本』は休刊、『漫画サンデー』や文芸誌掲載の漫画も当初の活力を失って急激に陳腐化する。このジャンルの作品の多くはほとんど単行本にされず、時代遅れの古臭い漫画として見られそのまま忘れられた。小島功や東海林さだおのように後年まで当時の作風のまま活動を続けた人物もいるが、やなせたかしや長新太のように子ども向けの絵本に転じその分野で名をなした人物も多い。『はれときどきぶた』で知られる矢玉四郎もデビューは大人漫画だったりする。
代表的な作家
谷岡ヤスジ「アギャキャーマン」