「間違う頭脳こそが完璧なんだ。」
「その時、誕生するのだ。」
「地上最大のロボットが……」
CV:津田英三
概要
浦沢直樹により、リメイクされた鉄腕アトムである『PLUTO』に登場する天馬博士。元科学省長官であり、人工知能の権威と呼ばれる天才科学者。
常にサングラスをかけ、人を寄せ付けないやや不気味な風貌をしており、世界最高水準ロボットの一体、アトムの製作者でもある。
ゲジヒトの生みの親、ホフマン博士をして、天才という言葉では言い表せないほどの「完璧な頭脳の持ち主」とまで称される人物で、現在は表舞台から姿を消している。
『間違う頭脳こそが完璧』という持論を持ち、特殊合金ゼロニウムの発明者、ホフマン博士・光子エネルギーの発明者、ハワード博士と対談した際には「これ以上ロボットを人間に近づけないことだ」と警告している。
自身の生み出す人工知能に絶対の自信を持っており、これが流出したことで生まれたとされるロボット兵団に対しても「ロボット兵団ごときに、私の人工知能など必要ない」・「私の人工知能を使ったロボットはもっと気高く、完全なものになる」と豪語している。
表面上厳しく接しつつも、内心溺愛していた一人息子のトビオを交通事故で亡くしており、息子を蘇らせるべくしてアトムを作ったが、共に生活をしているうちに息子との違いを思い知らされ、後に手放している。
愛想が無く、自身の研究以外には興味のない非情な人物にも見えるが、感情の整理がつかないロボットのヘレナに「泣いてごらん」と諭したり、自身もトビオやアトムの不幸に涙するなど、全く情が無い人物というわけではない。
本人曰く、「私は、完全なロボットを作ったことがある」らしいが…。
関連タグ
碇ゲンドウ…サングラスのデザインが酷似しており、多少のオマージュと思われる。ただし、天馬博士が息子を蘇らせようとまでしたのに対し、こちらは???のために全力で息子を犠牲にしている。
以下ネタバレ↓
本編の黒幕ともいえるゴジ博士。彼を作ったのもまた、天馬博士であった。アブラー博士の依頼で謎のロボット、ボラーを完成させるための最高の人工知能を作ろうとした際、世界の人口60億の人格をプログラミングしたが、複雑すぎたため、そのロボットは目覚めなかった。
そこで、天馬博士は今際の際のアブラー博士により託された、彼の人格を移したメモリーチップを注入した。その結果、そのロボットは目覚めたが、自分のことをアブラー自身だと思い込み、かつ、天才科学者ゴジ博士でもあると自らに嘘をついた二重人格ロボットになった。この偽アブラーが作ったのが、プルートゥであり、ゴジ博士として完成させたのが惑星改造ロボット・ボラーである。結果として、これが天馬博士が作ったもう一体の最高傑作、アトムとの最終決戦につながってゆくこととなる…。