作品解説
著者は柏てん。イラストはCOMTA、漫画版はhi8mugiが担当。
『小説家になろう』にて連載後、内容を一部変更したうえでカドカワBOOKSより書籍化し、それを原作とした漫画版がB's-LOG COMICにて連載されている。
なお書籍版の刊行は2巻で停止しているが、漫画版ではそれ以降のストーリーも継続して描かれている。
登場人物
エリアナ
本作の主人公にしてヒロイン。大国スレンヴェールの貴族リュミエール公爵家の娘として生まれ、政略により王族に嫁ぐために弛まぬ努力を重ねてきたが、妹ルーナによって家族からの愛情や第一王子アルヴィンの婚約者という立場を奪われたことで人生に絶望。「竜の花嫁」という名目の生贄に志願し火山に身を捧げて死のうとしたところ、彼女を見初めたグリードの意向で本当に嫁ぎ、成り行きで祖国を乗っ取ることになる。
グリード
はるか昔から生きる「強欲の竜」。本来の姿は触れるもの全てを腐らせる巨大な赤い竜だが、他人とコミュニケーションをとる際には赤髪の青年の姿に変化する。
「竜の花嫁」はスレンヴェールで勝手に広まった単なる言い伝えに過ぎず彼自身は何も知らなかったが、エリアナを助けた際に話を聞いて興味本位で彼女を迎え入れ、人智を超えた能力を使って周囲を圧倒。さらに内戦中だったスレンヴェールの隣国アデルマイトに介入して王を倒し、新たにグリード竜王国を建国し人間社会の中で暮らすことにする。
シュケー
グリードの知己であるドライアドの王。エリアナと暮らすようになったグリードに請われ眷属を貸し与え、後に竜王国に移り住んでいる。
ジル、イル
エリアナの世話役を務めるドライアド。元々はシュケーからジルが与えられていたが、その後瓜二つのイルが分化している。
シェリー
グリードの眷属である小型の竜。少女の姿に変化することができるが人語は話せない。
エリアナの移動手段。
アルヴィン
スレンヴェールの第一王子。次期王太子になるにあたり、リュミエール公爵家の後ろ盾を欲してエリアナと政略による婚約を結んでいた。事前に恩を売って立場を盤石なものにするためルーナへの婚約者交代に応じたものの、聡明なエリアナと違い奔放なルーナに辟易し、自分の選択を後悔する。
ルーナ
エリアナの妹。王族に嫁ぐため厳しく育てられたエリアナと違い両親に甘やかされて育った結果、教養を全く身に着けず、周囲に媚を売り自分の欲求をなんでも叶えようとする我儘な令嬢になってしまった。その結果、王太子妃になるエリアナの立場をも妬んでアルヴィンを奪うが、後に盛大なしっぺ返しを喰らい破滅することになる。
ステファン
アルヴィンの異母弟でスレンヴェールの第二王子。生母の実家の爵位が上であることからアルヴィンよりも次期国王に相応しいと宮廷内で推されている。
スロウス
グリードと同じ竜で「怠惰の竜」。子供っぽいマイペースな性格だが、気に入らないものに対しては冷酷。
地位を追われた旧スレンヴェール貴族に担ぎ出されグリードを追い落とすために利用されるが敗北。その後は竜王国に居ついている。