概要
尾形秀人は日本の特撮映画「ゴジラ」(1954年)の登場人物。
演じたのは昭和の名優の一人・宝田明。
作中では冒頭に南海サルベージ所長として不可思議な海難事故の調査を開始することでゴジラと関わっていくことになる。
人物
南海サルベージ所長を勤める青年実業家。劇中では「尾形さん」「尾形くん」と呼ばれ親しまれている。
若く長身でハンサムな実直かつ真面目な性格の青年。所長という肩書ながら自ら積極的に現場に出る行動派の人物。古生物学者山根恭平博士(演:志村喬)の娘の山根恵美子(演:河内桃子)という恋人がおり、ゆくゆくは彼女との結婚についても考えていた(結局、二人は結ばれなかったことが「ゴジラVSデストロイア」にて判明しているが、尾形のその後については一切語られていない。とはいえ、ゴジラシリーズはパラレル展開が多く、あくまで、所謂「平成ゴジラ」での時間軸であることに注意)。
「ゴジラ(1954年)」劇中での尾形秀人
大戸島の巨大生物騒動を受けて自身も「大戸島災害調査団」の一人として山根親子とともに島に赴き、山の尾根から出現したジュラ紀の巨大生物=ゴジラと遭遇する。
ゴジラのことは「戦後今もなお日本に覆いかぶさり続ける原水爆と同じ脅威であるゴジラを野放しにすべきではない」と最初から否定的である。
そのため「水爆実験の洗礼を受けてもなおも生き続ける不思議な生命力のゴジラは貴重な資料であり研究もしないまま抹殺すべきではない」と主張する山根恭平博士とゴジラの対処論を巡って口論となり、緒方は恵美子との結婚の許しを得る機会を逃してしまう。
ゴジラによる東京蹂躙の後、尾形は恵美子が兄のように慕う青年科学者芹沢大助(演:平田昭彦)の開発したオキシジェンデストロイヤーの存在を聞かされ、ゴジラを倒すにはそれしかないと考えて彼の所に赴きその使用を具申する。
当初は芹沢は自身の兵器が「水爆以上の化学兵器」として使用されることを危惧していたため尾形の願いをはねつけ、両者はつかみ合いの喧嘩となるが、しかしテレビで被災者に対する「平和の祈り」の歌が流れ心を動かされた芹沢はオキシジェンデストロイヤーの使用を「今回一回限り」としてそれに関わる資料を焼却した上で了承した。
一人で海に潜ると言い出す芹沢に対し「素人のあなた一人を海に放り込めない」として尾形も同行すると主張して共に東京湾近海に潜んでいたゴジラに近づき、芹沢がオキシジェンデストロイヤーを起動させるのを確認すると尾形は一足先に海から上がった。しかし、芹沢はオキシジェンデストロイヤーが今後悪用されることがないように海に残り自ら命綱をナイフで切り「ゴジラを道連れにした死」を選び、尾方と山根親子たちはゴジラのみならず芹沢の最期も見届けることとなった。