小野不由美の小説『十二国記』の登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
概要
阿選麾下の旅帥。驍宗への大逆が起こった後の朝では、品堅、及び、品堅軍に編入させられた驍宗(巌趙)麾下の杉登の下についている。
以下、「白銀の墟_玄の月」のネタバレを含みます
驍宗が失踪した当時、共に文州に向かっていた将の一人だった。誠実、実直と評される上官の品堅と気質が似ているとされ、阿選麾下でありながらも、驍宗麾下の巌趙が泰麒の許へ行った際、“よろしゅうございました”と本気で喜んでいた。
周りから不器用と評されることを気にしているが、阿選からは“お前は要領が悪いのだ”とされつつも“だが、だからこそ信頼される。卑下することはない”と評価されていた。
阿選が朝を簒奪・放棄してから阿選麾下たちのほとんどは、長らくないものとして扱われてきた。そんな中、阿選から直々の招集があり「忘れられたわけではなかった。」と素直に安堵するが、そんな帰泉を阿選は故意に「病」へと罹患させ、魂魄を抜き操り人形にした状態で烏衡を始末させる。
その後、驍宗を襲撃するために軍を率いて馬州へと送られるが、自我を喪失した状態で阿選から受けた「驍宗は殺すな」という命令を忠実に守り、味方が放った弩弓に自ら当たりに行くことで驍宗を庇い死亡。その今際の際でさえ、わずかに残っていた薄れゆく意識の中で「命令を守ったのだから喜んでくれるだろう」と、もう誰かも思い出せない主のことを思いながら事切れた。
人物の評価・描写
杉登 “旅帥の帰泉は、余所者の杉登に対しても分け隔てすることなく仕えてくれる。横合いから現れて地位を攫っていった杉登を格別怨むふうではなかった。それどころか上官として立ててくれ、誠意を込めて働いてくれる”とし“品堅の麾下は概してそんなふうだ”“この気質で、杉登の麾下ともうまく馴染んでくれている。得がたい人物だ”と評価した。