小野不由美の小説『十二国記』の登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
概要
驍宗への大逆が起こった後の朝で、天官寺人(王や宰輔のそばに侍って私用を補佐する役職)を務める小柄な初老の男。帰還した泰麒の身の回りの世話を命ぜられるが、つい先日まで司声(国官に関わる諸事を管理する事務官)を務めており、不可解な人事で全く畑ちがいの天官寺人に任ぜられたばかり。そのため慣れぬ仕事と停滞し纏まりを欠く朝とのあいだで右往左往していた。
以下、「白銀の墟_玄の月」のネタバレを含みます。
文遠が徳裕と潤達を泰麒の側付きにしたため、その後は泰麒が生活するために必要な諸々を恵棟の指示によって整える役割に廻った。その際は寂しく思いつつも肩の荷が下りたとほっとしていた。
偽朝に与した側ではあるが、泰麒を敬う心は本心で、信頼に足る人物だったが、ある時、突然の不可解な人事で保溝へと移動させられ、その後の行方はようとして知れない。朝廷内に蔓延する魂を抜かれ自我を喪失する「病」に罹患したと思われる。