概要
学生時代、教授の誘いでフランス語の翻訳のアルバイトを行ったことがきっかけで翻訳を仕事とするようになる。
以降映画の翻訳を担当するようになるが、短い文章で簡潔に意味が伝わるよう求められる字幕台本には魅力を感じず、やがて吹替版の訳を中心とした翻訳業を中心とするようになる。
吹替マニアには有名な一方、知らない人にはほとんど名前が知られていない。しかし吹き替え業界を盛り上げた影の立役者であり、平田翻訳は非常に人気と評価が高い。
知らない人に伝わる作品をあげるなら「コマンドー」「バトルシップ」の吹き替え翻訳を担当した人とすればわかるか。
アニメではトランスフォーマーシリーズの初期作品(初代、ザ・ムービー、2010)の翻訳で有名で、元からの作画ミスやジェットコースターの様な物語に平田節が混ざり更に作品の魅力を引き上げた。
平田節
平田が特に活躍した時代は、翻訳の台本において本来の意味の正しさは求められなかった。つまり話の筋さえ壊さなければ本来の英文を無視した内容も平気で行う翻訳家・演出家(現場で台詞を変える等)が多く、平田もその例に漏れない。
正確性を求める人からすればこれを嫌う人もいるが、その平田のセンスに惹かれた吹き替えマニアの方が圧倒的に多く、熱心なファンも多く付いている。
複数種の吹き替え版が製作される際に需要が高いのは平田版のものであるが、昨今においてはソフト版の吹き替えで起用されることは珍しく、少々値が張るコンプリート商品系でないとお目にかかれない。
なお、翻訳のアレンジ、意訳は別に平田に限ったことではない。ただ平田の場合は非常に言葉選びのセンスに長けており、この点は多くの平田翻訳に声を当てた玄田哲章からも好感触であった。加えて吹き替えファンの感性にもマッチしやすく、「平田勝茂が翻訳台本を担当」というだけで喜ぶ人間も多い。
平田節がお好き?結構、ではますます好きになりますよ?
本来の英文は“He's a gigantic motherfucker.”であり、対応する日本語はなく、「クソッタレのデカブツ」程度の意味合い。屋良版では「筋骨隆々のそれは物凄い大男だ」となっている。意味合い的には間違っていないうえにいかにメイトリックスが変人奇人の類いと呆れられているかがわかる場面となっている。