プロフィール
概要
「とんとことん」のマスコット的存在であるパンダの着ぐるみ。客はおろか他の店員の前でも一切着ぐるみを脱いだり喋ったりせず、その素性は謎に包まれている。
普段は店の片隅に吊るされたタイヤで遊んでいるが、一応店としてはメイド扱いらしく名札を付けておりパネルに写真が掲示されている。
人物
店のステージで歌うゆめちにカスタネットで合いの手を入れる、暴れる店長の靖子を取り押さえて退場させる、「とんとことん」の同僚達が銃撃戦を繰り広げている裏で調理場に侵入し、ガス栓を開いて大爆発を引き起こすなどその着ぐるみ姿を生かした(?)、裏方的な活動を担当。
4話では新しく来た調教師である佐野みのりに、店の従業員としていらない存在として靖子共々追放されるが、最終的に靖子と一緒に勝手に店に戻って来た。
5話では、諍いを起こした「ケダモノランドグループ」同系列店「メイドシープ」の連中に、嵐子となごみが拉致された様子を目撃。同店の地下に監禁された二人の窮状を、「とんとことん」のメンバーに知らせて助け(カチコミ)に向かわせている。また同話EDにて嵐子となごみを救出した「とんとことん」の三人が結果的に潰した「メイドシープ」の売上金を持ち帰り店長に渡していた。
7話では「メイドリアングループ」の武闘派の愛美・スーパーノヴァ・山岸達の「とんとことん」襲撃の際に戦闘描写は無いものの着ぐるみが返り血に塗れながらも建物入り口前に立ち、なごみの爆竹の音に誘い出され増援を警戒していた相手のモブメイド三人を看板を手にして倒していた。
8話では、「メイドリアン」改め「ウーパールーパーズ」との親善試合野球で、守備面ではファーストとして堅実な守り、打撃面ではホームランを打つなど、野球については「とんとことん」メンバーの中では、割と高いスキルを持っているらしい。
10話では嵐子が彼女を推しとしてとんとことんに足しげく通っていた末広からデートに誘われると、他の店員たちが応援する中、御徒町だけはなぜか嵐子がデートに出かけるのを執拗に妨害しようとするが…?
11話では、何者かに襲われてラジオ館の電飾看板に磔にされていたが、磔にされていたのは着ぐるみだけで中の人は全身タイツにパンダの覆面を被った姿で登場(パンダの頭が落ちて来た時はそれを被り直していた)。
12話で嵐子が亡くなった際、(着ぐるみ姿ながら)他のメンバーとともに立ち会い、葬儀にも出席している。その後、復讐に駆られたなごみ不在の中、御徒町は端っこでなぜか竹を研ぎ続けていたが…。
「ケダモノランドグループ」との対決前、怒羅磨に行った際、着ぐるみのためかラーメンを口にすることが出来ず、メンバーたちが嵐子のラーメンを分けあっていた時も、蚊帳の外であった。
余談
御徒町の血液型とされている「Rh-(Rh陰性)」は、その希少さから、中国では、自国の代表的な希少動物であるジャイアントパンダに引っ掛けて通称「パンダ血」とも呼ばれている。
関連タグ
椎名ナオキ:同年放送のスーパー戦隊に登場する常に着ぐるみを着用した謎の人物(こちらは兎)。
パンダ(テイコウペンギン):脚本家が同じアニメに登場するパンダの前例。
過去(ネタバレ注意)
CV:平野綾
10話にして初めてセリフつきで登場。そこで御徒町の身の上が初めて明かされる。
かつては、メイドを夢見て、15年以上前にアキバに出てきた一人の少女だった。
紆余曲折あってどこかのメイドになれたものの、雑用ばかりで鳴かず飛ばずの状況が続いていた。しかしある時、転機が訪れる。それが、「侍女茶館」の店長・美千代の射殺依頼であり、加えてその依頼をしたのが現・「ケダモノランドグループ」総帥の凪であった。
御徒町は美千代の射殺に成功するが、射殺直後に彼女をお気に入りとしていた客(正体は不都合なメイドを始末する「殺し屋」)の末広に口封じされそうになる。そこに偶然パトロール中の警察官が来たことで隙を突いて逃げ出すも、我武者羅に逃げたことで道路に飛び出してしまい、車に轢かれて重傷を負う。後を追って来た末広もそれを目撃して助からないと判断して追跡を止めた。その後、一命は取り留めたものの病院を抜け出したのか、傷が癒えないままあてどなくさ迷ううちに御徒町駅の駅前でパンダグッズの出店が開かれている所に遭遇した。
それを見て「パンダになりたい」と思った彼女は、末広と凪の目から逃れる目的もあり、パンダの着ぐるみで身を隠し(名前もパンダグッズの出店があった場所が由来と思われる偽名。11話の「絶縁状」でも他メンバーはフルネームに対して、彼女のみ名字のみとなっており、グループまたは店長側もフルネームを把握していないと思われる)、いつしか空き店舗となった「侍女茶館」の界隈を屯するようになる。そして新たに店を構えた「とんとことん」の店長の靖子に拾われて、そこで雇われる(?)こととなった。
月日は流れて1999年。因縁の相手とも言うべき嵐子が「とんとことん」に入って再会。更には、(凪の命令で)嵐子を始末しようとした末広が、かつての自分の時とおなじやり口で嵐子に近づいているのを見て、今ではかけがえの無い仲間になっていた嵐子を失いたくないと、デートに行かせないように妨害するが叶わず、嵐子と一緒にエレベーターで1階に降りて彼女がエレベーターから出た時に初めて話し掛け、「幸せって何で……」と言ったところで扉が閉じてしまう。
その後、デートを終えて末広が去った後に嵐子の前にチャカを持って現れ、自分の過去を始め、美千代を殺したこと、末広に殺されかけたこと、今まで罪の意識で喋れなかったことなどすべてを打ち明けた。
真相を伝えた御徒町は美千代を射殺したことを深く謝罪し続けるが嵐子に殴られ、持っていたチャカを拾われると、贖罪のつもりで撃たれようとしていた。
嵐子は御徒町に向かって「逝ってらしゃいませ」と言って、引き金を引く。が、その銃弾が貫いたのは脱いだ着ぐるみの頭部だった。
「あなたを許せませんが、(殺しても)美千代さんはそれを望まない」と言われ、嵐子はその場を去る。
その後、嵐子は末広と駆け落ちしようと、待ち合わせ場所へ。だが、嵐子が待っている間、その待ち合わせ場所に向かう途中の末広に対し、かつて自分が絞殺されかけた場所と似たような人気のない路地裏で逆に急襲。背中から一発で致命傷を負わせ殺害した。その際、末広が嵐子のために婚約指輪を携えていた事を知り、末広が本気で彼女を好きになった事を悟る。
その後で、雨でずぶ濡れになった姿で「とんとことん」に戻ってくる。同じく戻って来た嵐子にうなだれたその様子を見られ、末広を殺した事を悟られる。
「罪滅ぼしのつもりですか」と声をかける嵐子に、死の直前の末広から聞いた「(彼へ)嵐子を始末する依頼をしたのは凪」「さらに言えば15年前の銃撃事件を仕組んだ黒幕も彼女である」という事を伝えるのだった。
余談(ネタバレ)
- 御徒町の正体だが、明かされたのは10話が初めてではない。1話は美千代銃撃のシーンで始まるが、ここで登場した、美千代を射殺したヒットマンのセリフの字幕に(御徒町)と明記されていた。しかし、ヒットマンの声優はノンクレジットの上、この字幕はAT-Xのみのサービスで、視聴者の限られる有料放送だけあり、知っている視聴者は限定的であった。
- さらに、5話の嵐子が回想している過去シーンでも、(後ろ姿だけだが)御徒町に似た人物が、凪とともに嵐子に議論している姿が確認できる(こちらもノンクレジット)。
- プロフィールの通り、好きな物は笹以外だが公式四コマ漫画では嵐子に本物のパンダと思われ笹を食べさせられていた。もしかしたらこの事から笹がトラウマになったのかもしれない。
- 御徒町が着ぐるみを脱いだ際、ピンク色のヘアピンを着けていた。実はこれ靖子も着けており、装着位置も左右対称となっている。回想では着けておらず、店に着てから着けたと思われる。そのため視聴者の間で、靖子に対して友だち以上の感情を抱いているのではないかという憶測を呼んだ。
最終話の更なるネタバレ注意
ついに迎えた「ケダモノランドグループ」との対決。
他のメンバーらが、命を懸けた接客の中、御徒町はいつもどおりに隅っこで吊るされたタイヤで遊んでいるように見えた。
そして命を懸けた、なごみのラストライブ。ライブ後、なごみは、自らの願いを凪に決死の思いで訴える。
その訴えむなしく、凪はこれに激昂し、なごみを銃撃する。撃たれたなごみに悲鳴を上げながら駆け寄るメンバーたち。
だがそのとき、元「チュキチュキつきちゃん」メイドが凪のこめかみを撃ち抜く。
致命傷を受けた凪に、御徒町は「止め」と言わんばかりに、研いでいた竹槍を投げつけた。止めを刺された凪はその場に倒れ、絶命した。
凪に全てを狂わされた御徒町。彼女もまた、凪と同じく過去に呪縛されていたのかもしれない。
それからの動向は不明だが、19年後、なごみが乗る車椅子の車輪に御徒町のチェキと名札が貼られている。