曖昧さ回避
概要
開発は『侍道』シリーズ・『勇者のくせになまいきだ』シリーズで知られるアクワイア、販売はスパイクが担当している。
かつて、アクワイアは同じ趣向のゲーム『天誅』シリーズを作っていたが、『天誅』の版権の変遷により、アクワイアは開発に関われなくなってしまった。その後、『侍道』などでタッグを組んでいたスパイクと協力開発したのが本作である。
時は室町後期、「宇高多(うたかた)」という地を舞台に三つの勢力が戦火を散らす。主人公は各勢力から任務を受けながら、失った記憶の欠片を探していく。
本作の魅力は、箱庭型のマップの行き来が非常に自由なこと。
マップ内のオブジェクトは持ち上げたり投げたりすることが可能で、その挙動はかなり凝ったものになっている。
任務目的も敵を倒すことだけではなく、手紙や金庫を運んだり盗んだり、味方を敵から警護したり、様々な目的が用意されていて、それらを達成したかどうかがすべて戦の情勢に大きく関わってくる。
敵の反応も賢く執拗な面もありながら、人間臭く、間が抜けていてお茶目でもあり、表情が細やかに変わったり、色々な独り言をつぶやいたり、歌を歌ったりするなど反応も豊かでゲームの存在感を引き立てるのに一役買っている。
第一作目である『忍道 戒』から六年後、待望の続編『忍道2 散華』がPSVITAにて発売された。
主なゲームシステム
柱となるゲームシステムはアクワイア開発の『天誅』と『侍道』から各々受け継いだものがある。
一撃必殺、そしてハラキリエンジンである。
- 一撃必殺
敵に見つからずに接近したり、敵の攻撃の隙をつくことで一瞬で敵を葬り去るシステムのことである。
天誅シリーズでは「必殺」、「忍殺」と呼ばれていたが、忍道では「血祀殺法(ちまつりさっぽう)」という名称になった。
「忍殺」と比べて、壁張り付きやぶら下がり、ふすま越しなど決められる状況が増え、また発覚中でもうまく隙をついたりすることで決めることができるのが大きな違い。
- ハラキリエンジン
ゲーム内の三勢力に主人公が介入することによって情勢が変化し、異なったストーリー展開を楽しめるシステムである。
具体的には、任務の成否や首尾によって依頼主の好感度や軍備、空腹度などに変化をもたらし、送られてくる任務も変化していくもの。
- ミッションエディター匠
本編とは直接関係は無い、ミッション作成モードのこと。
オブジェクトやキャラクターの配置やマップの高低差等、非常に自由で多彩な任務を作成できる。
追加タイトルである『忍道 匠』とは本モードにて一般ユーザーが作成した任務を開発者達が公募・厳選し、販売したもの。
登場人物
『忍道戒』及びその追加タイトルから登場
声:羽多野渉
本作の主人公。古くから一条家を影で支えてきた忍衆「飛鳥忍者(あすかにんじゃ)」の一人。
ある事件をきっかけに記憶を失い、仲間たちとも散り散りになってしまう。
- 金糸雀(かなりや)のキヌ
声:幸田夏穂
ゴウと同じく飛鳥の里の生き残りである女忍者。
里が滅ぶ前はゴウやザジと共に修行に励んだ仲なのだが、記憶を失くしたゴウに対しては何故か冷たい態度をとる。
物語を進めていけば、プレイヤーキャラとして使用可能で、先端に複数の刃のついたヌンチャクのような武器を駆使して闘う。
素晴らしい太股の持ち主。
声:小西克幸
飛鳥の里の生き残りで、ゴウの兄弟子にあたる隻眼の忍者。
かつてはゴウやキヌと共に修行に励むといった親しい仲であったが、飛鳥の里が滅びてからは彼の命を執拗に狙うようになる。
実力ではゴウを大きく上回るが、寿司が大好きという意外な弱点を持つ。
- 一条信輝(いちじょう のぶてる)
声:森田順平
三勢力のうちの一つ、一条家の当主。
飛鳥忍者を頼りに宇高多を治めてきた大名だが、飛鳥の里が滅びてしまい苦境に立たされる。
どちらかといえば争いを好まない性格で、赤目や貞女とも和解の道を探っている。
優柔不断で精神的に脆い面も大きく、自身も自分は大名の器ではないと思っている。
性格に似合わず剣術の腕は中々のもの。
趣味は川柳だが、その腕前はお世辞にも上手いとは言えない。
- 赤目影虎(あかめ かげとら)
声:飯塚昭三
三勢力のうちの一つ、赤目家の当主。
宇高多の隣国の大名。飛鳥の里壊滅を好機と、豊富な資金と兵力を用いて宇高多に侵攻を開始する。
見た目通り無骨で強引だが、面倒見の良さと実力ある者には対等に接する性分から、部下には慕われている。
新しい物はどんどん取り入れる性格で、戦闘では刀ではなく短筒を使う。
主人公を気に入ると、「赤目汁」なる謎のエキス(飲み薬)を送りつけてくる。
- 貞女(さだめ)
声:幸田直子
三勢力のうちの一つ、宇高多に勢力を広げる新興宗教「阿無璃他教(あむりたきょう)」の教祖。
性格は適当だが、高いカリスマ性で信者たちをまとめている。妖艶な美貌の持ち主で、主人公にも矢文で色っぽい映像を送ってくる。
剣術と体術を織り交ぜたアクロバティックな武術を身につけている。
- 蛇蜻蛉(へびとんぼ)
声:奥田啓人
奥州の忍衆「毛伸衆(けのびしゅう)」の頭領。
これまで宇高多を牛耳っていた飛鳥忍者の壊滅を聞き、大名に取り入ろうとやってきた。
喧嘩っ早く短気な性格で、尚且つ相手を甚振ることを好むサディストでもある。
武器は右腕に装着した、伸縮自在の特殊な籠手を使用する。
- 渦虫(うずむし)
声:吉野貴宏
蛇蜻蛉の相棒。
忍とは思えないでっぷりとした肥満体とおっとりとした性格の持ち主。
しかし、巨大な鉄球を振り回すその腕力は本物。
部下たちからは慕われている様子。
- 揚羽(あげは)・薄羽(うすば)
声:氷上恭子
女性だけで構成された忍衆「喪巣忍者(もすにんじゃ)」の頭領である双子の姉妹。
涼やかな顔立ちの女性だが、関西弁口調のサバサバした性格をしている。
ゴウに対して強い因縁があるらしく、執拗に彼を付け狙う。
特技は分身の術で、二心一体の攻防で相手を翻弄する戦術を得意とする。
- 冑(かぶと)
声:大川透
重装備で身を包んだ忍衆「多羅場忍軍(たらばにんぐん)」の頭領。
ある人物の依頼で、ゴウの探し求める「魂のカケラ」を追い求める。
ちなみにCVを担当する大川透は、過去に『天誅』シリーズの主人公・力丸を演じている。
- 弥勒(みろく)
声:幸田夏穂
『焔』から登場。阿無璃他教の修験者だが、一条家の侍大将と内通しており、貞女を出し抜いて宇高多を我が物にしようと目論む。
外見とは裏腹に強靭な腕力を持ち、掌底の一撃で相手を仕留めることも。
シリーズ作品
- 忍道 戒 (2005年11月10日/PS2)
忍道シリーズ第1作目。
- 忍道 匠 (2006年3月30日/PS2)
戒のミッションエディター匠で任務を一般公募し、厳選された130以上の任務を収録したソフト
- 忍道 焔 (2006年10月26日/PSP)
戒の後の世界が舞台
- 忍道2 散華(2011年12月17日/PS VITA)
忍道シリーズ・正式ナンバリングタイトル第2作目。
- 忍道 血祀鴉 (2005年9月26日/Shockwave、iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)
Shockwaveで公開されていた縦スクロールアクションのミニゲーム。後に携帯にも移植された
- 忍道 緋鴉 (2006年10月16日/Shockwave、iアプリ)
血祀鴉の続編
- 忍道 葬鴉 (2006年10月16日/Shockwave)
緋鴉の続編
- 忍道 暁 (2006年7月3日/iアプリ、EZアプリ、S!アプリ 開発:熱中日和)
戒より前の飛鳥の里崩壊の数年前が舞台
- 忍道 厳 (2006年10月26日/iアプリ 開発:熱中日和)
暁の続編