全文
崖に激突して死ぬツバメがいるそうだ……
そのツバメは得てして他のツバメよりもとても上手にエサを捕獲したりするのだが……
宙返りの角度の危険の限界を親ツバメから教わっていないため つい無謀な角度で飛行してしまう
だが その親は教えないのではなくそのまた親から教わっていないので教えられないのだ
彼ら一族は短命な者が多く なぜ事故にあいやすいのか気づいてさえもいない
承太郎は短命だったな
概要
第6部「ストーンオーシャン」のラスボス、エンリコ・プッチのセリフ。
空条徐倫との手錠デスマッチで発された。
この時点での空条承太郎は完全には死んでおらず、記憶のDISCを抜き取られて仮死状態である。
承太郎がDISCを奪われたのは、娘のために身を投げ出すことを想定したプッチの計画によるものであり、その娘もまた父の蘇生のために危険を顧みず、プッチとの正面対決に挑もうとしていた。
そんな状況下で、プッチは唐突に「一見なんの脈絡もないツバメの話」を始めた。
そこから締めのたった一文で「徐倫本人だけではなく、彼女に連なるジョースター家の血統そのものへの侮辱」に変わるという非常に高度な煽りで、どこか品や教養も感じる奇妙なセリフ。
余談
元ネタか不明だが、よく似た話に「宙返り鳩」がある。
トマス・ハリスの小説に登場する殺人鬼ハンニバル・レクターが、射殺された警察官を父に持つFBI捜査官クラリス・スターリングに当てつけた話で、両親ともに深く宙返りする鳩の子供は地面に激突して死ぬというもの。
「追突死するツバメ」というのは本当に存在するが、別に宙返りの角度の危険の限界を親ツバメから教わっていないわけでなく飛行中に車を避けられない、或いは巣立って間もなく飛行が上手でない若ツバメが追突死するケースが多く、別にプッチの言う理由で追突死するわけではなく他の鳥でも起こりうる事故要因である。
なお、ツバメ同士が空中衝突するケースはあり、第6部の連載が終了し第7部「スティール・ボール・ラン」開始時の2004年時の日本では成鳥と子が空中で正面衝突して両方死ぬという悲惨な最期となった事故が報告されている。
第6部の舞台であるアメリカに住むツバメは、日本に住むツバメとは違い家の外壁に巣を作る事は稀で、建物の内側や橋の下・トンネル・崖などで巣を作る事が主流である。そのため、ツバメと崖の話はここから来ていると推測されている。