概要
「おまえごときうすっぺらな藁の家が深淵なる目的のわたしとDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」とは、『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」に登場するエンリコ・プッチ神父の上品な罵倒である。
流れ
場面は物語終盤のアンダー・ワールド戦。
徐倫の機転と覚悟に負けたヴェルサスは、プッチに見捨てられやられそうになる。その時突然
「ウェザァァァ・リポォオオオオオオオト!!」
とヴェルサスは叫び声をあげ、1枚のディスクを自身のスタンドで何処かへと持っていった。実はこっそり自身の能力を使ってプッチを再現し、プッチがウェザー・リポートの記憶ディスクを持っていることを見抜いていたヴェルサスは、自身の身を守るためにそれを利用したのだった。ヴェルサスはその過去からどんなことをしても幸せになってやるというある種父親譲りの野心を持っており、その予想外の行動にキレたプッチは
「ヴェルサスッ!おまえごときうすっぺらな藁の家が深淵なる目的のわたしとDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」
と今までの落ち着いた口調から一転、感情剥き出しになって罵倒したのだった。そしてヴェルサスのこの行動で、街には大厄災がもたらされることになる...。
解説
一見よくわからない台詞だが、これはおとぎ話「三匹の子豚」とヴェルサスを絡めたもの。
ヴェルサスはウンガロ、リキエルと共にDIOの3人息子であり -(ジョルノもいるけど)- その3人を子豚に見立て、その中でもヴェルサスを一番弱い「藁の家」を建てた子豚とし、自身とDIOの「天国へ到達する」という目的を3匹の中で一番強いレンガの家よりも更に強力な「砦」とたとえその格の違いを秀逸に表現した台詞なのである。
要は「お前ごとき雑魚中の雑魚がこの俺に歯向かってんじゃあねぇッ!!」みたいな意味合いである。彼の戦闘中に口出ししまくるなど利用するだけ利用しておいてこれはヒドイが、言い回しから妙に品性と知性を感じられる台詞である。神父という職業は伊達ではないということか。というかこの言い回しが咄嗟に出てくるプッチは相当頭がいい。
同時に、身勝手ではあれどDIOの息子の中でも特に不幸な人生を歩んできたヴェルサスの『幸せになりたい』という細やかながらに切実な思いを『藁の家』と言い切り、『人類全ての救済』という大目的を背負う自分以外の全てが取るに足らないと断定し見下すプッチの傲慢さの表れでもある。