概要
電子掲示板2ちゃんねるの詳細については、当該記事を参照のこと。
2ちゃんねるは西村博之氏(以下ひろゆき)が開設した電子掲示板だが、データを保存するサーバやドメインの管理は中尾嘉宏氏(通称FOX★)より紹介されたジム・ワトキンス氏(James Arthur Watkins 以下ジム)の運営する会社(NTTec)に委託されていた。
2014年2月19日にジムは2ちゃんねるのサーバを編集する等の権限の一切をひろゆき以下既存の2ちゃんねる運営から剥奪し強制的に事業を引き継ぐ(理由については後述)が、これにひろゆきは不当な行為と反発し対抗手段として2014年4月11日に新しく電子掲示板「2ちゃんねる」を開設するに至った。
ドメインの違い
元々存在していた2ちゃんねる: http://2ch.net/
新しく開設された2ちゃんねる: http://2ch.sc/
呼称
両2ちゃんねるは同じ名前を名乗っているが、ドメインの違いや運営の主体などから「netとsc」、「ジムちゃんねるとひろゆきちゃんねる」、「旧2ちゃんねると新2ちゃんねる」、「2ちゃんねると偽2ちゃんねる」などと呼ばれている。
当記事以後では一番当たり障りのない「2ちゃんねると新2ちゃんねる」として使い分ける。
機能
2014年4月25日現在、新2ちゃんねるは未完成であり、2ちゃんねるで実装されていた機能のうち最低限のものが整備されているだけである。
2ちゃんねると異なる機能として、2ちゃんねるのスレッドを取得してきて新2ちゃんねるでも閲覧できる機能が存在している。この機能について2ちゃんねるは管理者がジムとなってから文章の転載禁止を規約としているため規約違反ではないかという意見がある。
これに対してひろゆきは『新2ちゃんねるの「2ch.netの完全互換サイト」としての機能』としていたが、現在は「2ch.netのログ保存のため」としており、著作権に関しても「2ch.netは本来自分(ひろゆき)が所有しているサイトであるから他人が勝手に定めた規約に従う必要はない」「ハッカーが乗っ取って規約を書き換えても、それに従う必要はない」としている。
BBSPINK
BBSPINKは2ちゃんねるとは別の掲示板であり、分裂騒動以前からジムが運営していた掲示板であるため、新2ちゃんねるにはBBSPINKは存在せず、掲示板のログが取得されることも無い。
18歳未満禁止の掲示板としては新2ちゃんねるでは独自に xpic.sc を開設している。2ちゃんねるとは異なり、画像の添付機能やお絵かき機能が備わっており、オープン2ちゃんねると共同でチャット機能「kome」が表示されるようになっている。
利用者数
出来たばかりの掲示板であるため2014年4月末現在利用者数は少なく、2ちゃんねる利用者の移住も目立った動きはない。利用者数に関してひろゆきは「管理者を気にする利用者はいない」「機能を増やしていって使いやすい方を選んでもらえるようになれば良いかと」としている。
経緯
ジムが2ちゃんねるの編集権限をひろゆきから剥奪したことが、新2ちゃんねるの開設理由とひろゆきはしているが、その事態に至るまでの経緯は当事者同士で発言が食い違っており、正確な事実は不明である。
そのため利用者の間で憶測が広がっているが多くの場合証拠のない不確かなものである。その中で主として言われているものとして以下のような流れとされている。
※あくまで憶測や当事者同士の主張であり事実とは限らない。
2ちゃんねるビューア(通称:●)の販売が開始
2ちゃんねるの過去ログを閲覧したり、書き込み規制された人が規制を回避することが出来る有料サービス●がジムの会社NTTecにより販売されていた。
●の代金は年間$33一括払いで、代金の分配は$8:サーバ代(2ch→NTTec)、$8:販売者(NTTec)、$8:下請け、$8:2ch専用ブラウザ開発者(申請者のみ)、$1:ツール作者(●作者?ひろゆき?)だったと、ひろゆきが説明しており、このことについて関係者の証言の食い違いはない。
2ch専用ブラウザ開発者への代金未払い
●を販売していた時にNTTecから2ch専用ブラウザ開発者への分配金の支払いが2011年頃から滞っていたことが2014年に発覚する。この件についてはジムから支払いが滞っていることについて謝罪が行われた。
この件についてジムは「支払いが滞っている」と表現しているが、ひろゆきは「横領」と表現している。
このことを理由にひろゆきはジムが「会社資金に困っていた」と主張しており、Jimは滞っていた理由について説明していない。
2ちゃんねるビューア個人情報流出事件
2013年8月頃に●に契約していた顧客の個人情報が過去数年分に渡って流出し、その中にはクレジットカードの番号、暗証番号、シークレットコード(本来販売者が記録してはいけない)などが含まれており●の販売は停止された。
この件について、販売主体であるNTTecは謝罪を発表した。
ひろゆきは●の販売に一切関わっていないこと、報酬を得てないことを理由に流出の責任を否定している。
この件により、NTTecは●の販売代金が得られなくなった。ひろゆきは、このことを「ジムは会社資金がなかった」理由の一つとしている。
●の販売再開は2ちゃんねる運営陣によりセキュリティの向上などを条件とされたがNTTecは拒否し後継サービスである浪人の独自販売を発表する。
ペーパーカンパニーへの権利譲渡
ひろゆきは2ちゃんねるに寄せられる賠償請求の回避や、2ちゃんねるの広告収入にかかる所得税を軽減する目的で、2009年ごろに2ちゃんねるの権利を海外のパケットモンスターIncに譲渡することを発表する。
このことからひろゆきは2ちゃんねるの権利を放棄したとされていたが、パケットモンスターIncはひろゆきのみが所属し経営実態のないペーパーカンパニーであるとして、国税局から追徴課税を言い渡されている。
この権利関係は不明な点もあり、2ちゃんねるの権利の主張も「ひろゆきおよびパケットモンスターIncのもの」と主張している。
ドメイン登録名義の変更
2ちゃんねる( http://2ch.net/ )のドメイン契約者は開設から2012年までに、ひろゆき→パケットモンスターInc→レースクイーン社と変遷している。パケットモンスターの経営者はひろゆきであるが、レースクイーン社の経営者はジムである。
このことから、2ちゃんねるは既にジムが所有していたとしている人物が居る一方でひろゆきはジムの会社が提供するドメイン登録者を非公開にするサービスによるものだと主張している。
2ちゃんねるの運営が入れ替わった理由について
ジムは前運営陣(ひろゆき)の経営能力が劣っていたため追放したとし、ひろゆきはサーバ代が未納であるとの理由で乗っ取られたとしている。(※サーバ代は充分支払っていたと主張している)
この意見の相違は、ジムは2ちゃんねるの経営陣であり役員人事として行われたと言った趣旨の主張しているの対して、ひろゆきは契約不履行を理由にされたと主張している点によるものである。
(※サーバのレンタルサービス業者は、貸し出し相手が料金未納しているからと言ってサーバの中身を所有することは出来ないため)
まとめ
ひろゆきは権限を剥奪されたことに関し●等の件も含め「ジムは資金がなく、2ちゃんねるの広告料金などを得るために乗っ取った」と主張しているが、ジムは2ちゃんねる運営陣として「ひろゆきには経営能力がなかったため追放した」としている。