この記事にはテイルズオブアライズの物語の根幹に関わるネタバレを含みます。
概要
星霊とは万物が内包する星霊力に宿った意志そのものであり、ダナとレナ双方に存在。
星霊力自体は通常ならただのエネルギーであるが、その星霊力が1ヶ所に集中する事で膨大な星霊力に意志が宿る。
最初に星霊力の意志が顕現したのはビエゾ戦のクライマックスで、この時巨大な『炎の怪物』として顕現している。
後にアルフェン達は膨大な星霊力には意志が宿り、主霊石や集霊器にはそれを抑制する機能が搭載されている為、通常は意志が顕現しないという仮説を立てており、終盤にその仮説が正しい事が証明される。
星の意志の様なものであり、『炎の怪物』よりも巨大な星霊力の意志は「声」という形で星に生きる種族に接触する。
本編では「ダナの意志」、「レナの意志」とも呼ばれている。
ダナの星霊
全域に薄く広がる様に存在しており、強い意志が顕現する事はなく「声」も弱い。
本編でその意志が顕現したのはダナの星霊力が集束する《楔》やレネギス等、人為的に集中させた環境のみ。それも「声」のみで実体化する事はなかった。
星霊力の感受性が高いリンウェル以外のメンバーもその意志に触れ、特にレネギスではアルフェンが知らなかった300年前の真相を知る手掛かりとなる。
上記のように強い強制力はないが、ダナを喰らい尽くすそうとするレナの星霊への危機を抱いているのか、アルフェンたちに過去のビジョンを見せる事で手助けをしている。アルフェンが300年ぶりに目覚めたのも偶然ではなく、ダナの危機に対抗する為に何者かが導いたのではないかと推測している場面もある。
推定だが、もし上述の炎の怪物、下記のレナの星霊のように、意志を持つ星霊力に名前を付けるとしたら、歴代テイルズシリーズの『精霊』(晶霊、大精霊)たちのように、イフリート、ノーム、シルフ、ウンディーネといった名を付けられることになるだろう。この名前だが、既に《楔》の4体のズーグルたちに名付けられている。
レナの星霊
芯央に集中する様に存在する為ダナの意志とは逆に強く意志が顕現し、真のレナの民ヘルガイムキルの精神に干渉し支配している。
その真意は星霊力を貪る欲求を満たす事で、この物語における全ての元凶。
干渉できるのはレナに属する生物のみで、ダナ人は勿論のこと、本来のルーツがダナであるレナ人の精神にも干渉はできない。
物語終盤、レナス=アルマを用いてダナの星霊力を《楔》とレネギスを介して取り込み、レナ本星に巨大な青い薔薇の様な花として実体化。意志自体がレナ本星の構造と一体化しており、戦闘時には星霊の意志の核が実体化するが、倒す為に必要だったレナス=アルマを取り込んでしまう。
かつてヘルガイムキル達を操りレナの星霊力を枯渇させる程食らい続けた為、その結果現在のレナは星としての原形が保てない歪な形に変貌(芯だけ残った林檎の様な状態)。地表は殆どが虚水の海と化している。
そして次に膨大な星霊力に満ちたダナに手を出し、ヘルガイムキル達はその欲求を効率よく満たす為の仕組み、すなわち領戦王争(スルドブリガ)をレナ人達に行わせた。
実は300年前の儀式で、自身が儀式を直接執り行う為にレネギス禁領にまで干渉していた。
歴代テイルズの精霊のように捉えるなら、恐らく闇の精霊シャドウの位置となるかもしれない。
双世界の真実
最終決戦で本来ダナとレナは一つの星として誕生するはずだった事実が判明。しかし現在の様に二つの星として誕生してしまい、本来在るべき姿へと戻る為にレナの星霊は二つの世界の星霊力を吸収していた。
ダナにのみ「光」、レナにのみ「闇」の星霊力が存在する偏りは、星が二つに分かたれた事に起因している。
300年前に行われた「招霊の儀」、正式名称「招霊計画」によって全属性の星霊力がレナス=アルマに集積し、《王》と《巫女》による制御でダナの星霊力全てが接収されるはずであったが、《巫女》であったネウィリが闇の星霊力から滅びのビジョンを幻視した為制御を放棄。それが原因でアルフェンに膨大な量の星霊力が流れ込み暴走した結果レネギスの大破という形で儀式は失敗。
計画の再始動には闇以外の星霊力が圧倒的に足らず、ダナの星霊力でレナス=アルマの再精製を行う領戦王争(スルドブリガ)が始まった。
しかも儀式の失敗によってレナの星霊の一部がネウィリの内に入り込みシオンの代になってその力が発現。これが「荊」の正体である。
「荊」がある限り星霊を倒しても再生し、星霊の支配を逃れた唯一のヘルガイムキル、『ヘヴレクトの35』は確実に倒す為にはレナス=アルマでシオンの体に星霊を封じ込め、シオンごと滅ぼすのが最も確実かつ最短の方法という結論に達している。
皮肉にも「荊」と刺し違えるシオンの考え方が正しかった事になるが、当然アルフェン達は納得せず、更に先に「荊」をシオンから解放すると本体である星霊と一体化してより強くなる危険まであり、シオンと世界双方を救うのは非常に困難な状況にあった。
レナの星霊がこの様な強行手段に及ぶのは、ダナと対極の在り方故に消滅の危機にある為。だからこそ自らが消滅するよりも先にダナを取り込み世界を完成させる事を望んでおり、その根底にあるのは「怯え」の感情であった為決して邪悪ではなかった。
しかしレナの意志の行為は今を生きる生命の存在を考慮しない身勝手な方法でしかなく、アルフェン達から拒絶される。
星霊、お前が生きたいという思い、それは誰にも否定できない。
だがそのために俺たち(や他の全て)に滅べというなら、俺たちはお前と戦う!
そして6人は武器を構え、未来を勝ち取る為、これまでの旅路で辿り着いた答えと想いの丈を星霊にぶつける。
人の未来は人の意志で選ぶ。人ならぬ者によって決められるべきではない!
ーごめんね。でもこれ以上、奪われたくない。だから止めるよ、あなたを!
Beyond the Dawn
物語の1年後を描いた大型DLC、『Beyond the Dawn』では、双世界統一後の星霊について語られた。
テュオハリムによればダナとレナ、2つの星霊が1つになった影響で、以前の様に顕現する事は無くなった。
だが新規キャラクターにして、影の主人公であるナザミルの人生をより狂わせていた事が判明。
ネタバレ注意
実はナザミルも《王》の調整体であり、六属性の星霊力を扱える為に目を付けられ、非道な彼女の父親に禁領へと送られるが、先にヴォルラーンが調整体として完成した為返還される。
最終調整されていないとは言え、元よりレナでもダナでもない自分にコンプレックスを抱えていたところに、異質な紋様の力を有する存在となってしまい、より「自分はこの世界にとって異物」なのだと思うようになってしまう。
つまり、『Beyond the Dawn』で起きた事件も本を正せば星霊の行動が原因と言える。
更に、ヘルガイムキルに作らせた「外廟」の詳細も判明。
外廟とはダナの星霊力を各領地に偏らせ、領戦王争の土台を構築していた装置。
双世界が統一された後も各地に残っており、各地で均一化していく六つの星霊力を阻害しており、本編終了後のアルフェンとシオンは、ゆく先々で発見した外廟を《王》の力で封印していた。
アルフェンはその外廟を統括する「枢幹」を発見できなかったが、ナザミルがアルフェン達とすれ違った結果、最終的に彼女が枢幹を掌握。
他者との違いに苦悩し続けた彼女が、全ての人間から「違い」を消す為に枢幹の設備を利用し始めてしまう。
心を押さえ付ける仮面を着け、外廟に接続した果てに異形の怪物になってしまったナザミルだが、アルフェン達の必死の説得と戦闘の結果、ナザミルの心と怪物の意識が分離。
『新しき世界で!』
『大切な人たちと!』
『自分らしく!』
『自由な心で!』
『生きるために!』
『『『『『『『壁を壊す!!』』』』』』』
こうして、星霊が遺した爪痕は消え、1人の少女の心も救われた。
関連タグ
ネオ(トリコ)……悪意はなかったラスボス繋がり。こちらも命を喰らう存在である。
ただしこちらは最終的に主人公達と和解し同じ食卓を囲む等救いある結末となった。
ゴズマスター、マゼラ……同じく「全てを搾取し喰らいつくす」という偏った意思に目覚めた星そのもの。他の生命体を支配し、"自分が食えるようにする"為の惑星侵略集団を組織させた点も同様。
メガヘクス……星の生きる生命全てが一体化した果てに機械化した生命体。他の星にまで手を伸ばし侵略し、最後には全て機械化して無理矢理一つになろうとするはた迷惑な災害。もっともその性質のせいで致命的な弱点を抱える事になってしまった。
クリード・グラファイト…テイルズオブハーツの黒幕にしてラスボス。自らが制作した黒い月こと惑星サイズの超大型ゼロム『ガルデニア』によって、遊戯間隔で争いを続ける結晶人の心(スピリア)から、闘争心を奪うことで争いをなくそうとした結果、失敗して全てのスピリアを食い尽くしてしまい結晶界そのものを白い彫刻のような姿=白化状態にして滅亡させてしまった元凶。これらの経緯から、滅亡した星が登場する上に、ラストダンジョンが星そのものという、アライズ本編との共通点が見受けられる。
フォドラクイーン…テイルズオブグレイセスFのラスボス。同じく星の意志が具現化した強大な存在だがこちらは意思疎通が可能。