暖房車
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だんぼうしゃ
客車への蒸気暖房用にボイラーを積んだ車両。メイン画像では機関車の後ろで湯気を出している車両。
客車に暖房用の蒸気を供給する事業用車で、形式記号は「ヌ」が付与され、重量等級は本車両が事業用客車なので客車の重量等級が割り当てられていた。
動力近代化以前は客車の暖房は牽引機である蒸気機関車から蒸気の供給を受けていたが、動力近代化初期の電気機関車やディーゼル機関車は蒸気を供給する設備がなかったためこの車両を連結して暖房用蒸気を供給していた。
冬季以外に出番がないことや、ボイラー技士の資格を持つ乗員の手配が必要、暖房車の分牽引できる重量や編成長さに制限が出るという欠点があり、のちにディーゼル機関車や電気機関車にも蒸気発生装置が装備され、また客車のほうも新系列化によりディーゼル発電機を積むようになり自前で暖房を賄えるようになったため、やがて姿を消していった。
蒸気発生用のボイラーとボイラー用の石炭をつむ炭庫、水タンクを備えている。暖房として十分な蒸気を発生させることが出来ればよいため、用済みになった蒸気機関車から外してきたボイラーなど(時には車籍も)を流用して作られた代用車や、編成内の牽引機(EL、DL)の他に蒸気機関車も連結し代用することもあった。
余談だが、交流電気機関車の黎明期には初期不良などによる故障が多かったため、暖房車代用で蒸気機関車が繋いであると乗客は「当たり」(電気機関車が故障しても運転打ち切りなどにならず、蒸気機関車で目的地まで走っていけるので)と思ったとか。
動力近代化と客車の新系列化の間のあだ花的な存在だったためか、現時点では当該タグが付いているイラストは数件しかない。
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