概要
邦題は「暴走特急」だが、英語版タイトルはUnder Siege 2: Dark Territoryであり、「沈黙の戦艦」の正式な続編。
だが、日本で公開された当初は沈黙シリーズに数えられなかった。(邦画にありがちな「タイトルの和訳」に関する大人の事情というやつである。)しかし、今では沈黙シリーズに含めて陳列しているレンタルビデオショップも少なくない上、日曜洋画劇場放送時には「沈黙シリーズ最高傑作」と謳い文句を付けるなど、立派な沈黙シリーズ扱いとなっている。
「沈黙の戦艦」の続編なので、セガールが演じるのは最強のコックことケイシー・ライバックである。また、セガール氏は本作のプロデューサーの一人でもあり、映画解説で有名な淀川長治氏が「セガールは列車という舞台を上手く使っている」と評価しているように、海の上とは言え、巨大な建物のような存在である「戦艦」を舞台とした閉鎖的な空間でのアクションを描いた前作に対し、列車の内部だけでなく屋根から側面、床下に至るまで、列車の持つあらゆる空間を活用した縦横無尽な動きが楽しめるアクション作品に仕上がっている。
吹き替えは2種類あり、ソフト版では玄田哲章氏、テレビ朝日版では大塚明夫氏がセガールの吹き替えを行っている。しかし、ブルーレイ版発売にあたって、テレビ朝日版吹き替えもソフト化され、大塚氏の吹き替えもソフト版で楽しめるようになった。
有名な「キッチンでは誰にも負けない」、もしくは「キッチンでは負けたことがないんだ」「おっぱいには気をつけろよ」という台詞は、この映画におけるものである。
2種類の吹き替えどちらにしても渋いベテラン声優の声でこれらの台詞が楽しめる。
ストーリー
海軍を退役し、レストランのオーナーシェフになっていたケイシーは、疎遠になっていた姪のサラとの仲を修復するために豪華特急列車の旅行を計画し、駅で再会するが、なかなか打ち解けることができずにいた。仲直りの印にとケイシーはキッチンでケーキを作り始める。
しかし、そこへ列車に同乗していた人工衛星兵器の管理者を狙ってテロリストが乱入。列車はジャックされ、乗客と共にサラは人質になってしまう。
テロリストたちの中には姿を消した衛星兵器の設計者・デインの姿もあった。彼は衛星兵器を乗っ取って悪逆非道の限りを尽くし、アメリカのペンタゴンを地下原子炉ごと破壊し、アメリカ東海岸全体を破滅させようとしていた。
だが彼らのテロ計画は、列車内で発生する奇怪な現象によって徐々に狂い始めていく。落としたはずの電源が勝手に入る。行方不明になった傭兵が死体となって発見される・・・。次第に焦りと苛立ちを募らせていくテロリストたち。
一連の怪現象。その正体はすぐに明らかになった。そしてその場にいた百戦錬磨の傭兵共は、みな愕然とし、恐れおののいた。
当然である。この時まで彼らは知らなかったのだ。天敵:ケイシー・ライバックが、最強のコックとして列車に乗り合わせていたことを……。
余談
映画とは直接関係ないが、「暴走する列車」を意味するタイトルから、(やりすぎ的な意味での)暴走の常習犯に対する異名としてしばしば使われることがある。