概要
演:佐野史郎
1992年のテレビドラマ『ずっとあなたが好きだった』の登場人物。
主人公である西田美和の夫。
東京大学卒のインテリ銀行員である。
趣味は蝶の標本集めとテレビゲームで、現代で言うならオタク。
表面上は高学歴高給取りの優良物件だが、母の教育方針で他人との適切なコミュニケーション能力が欠落しており、結婚後に日常も夜も夫婦の営みを交わさず、かと言って何かあれば癇癪を起こすなど現代で言うならモラハラの気があり、でも優しさはある(コミュニケーション能力が備わってないので、優しくする方法がわからない)。
マザコンの代名詞
同作品は、主人公とその元カレである大岩洋介が結ばれるまでを描いたストーリーで、冬彦は
「結婚生活がうまくいかない男」程度の設定しかない脇役だった。
しかし、冷静に見て、そのストーリーの縦軸を身も蓋もなく言ってしまえば、不倫(しかも主人公が過去に未練を残して結婚を決意するもの)であり、主人公の恋愛は倫理的に許されないものなので、冬彦には『不倫に走るのもしょうがない相手』と言うキャラクター性が求められた。
そこを演じた佐野史郎と母親役の野際陽子による1話の怪演が注目を集めるようになり、「狂気のマザコン男」というイメージが付く。
このようなキャラクターは当時前例が無かったため視聴者に与えた衝撃は大きく、見どころは主人公の恋模様を差し置いて彼へとシフト。
結果として視聴率は劇的にアップし、その後数年に渡る「冬彦さんブーム」が起きた。
現在でも、マザコンの代名詞として冬彦さんが語られる事は多い。
因みに下記の冬彦さんの奇行は佐野史郎のアドリブでやってる演技が多いらしい…
何をやらかした
- 冬彦が指を切った際、止血のために母親が指をくわえた(これがはじまり)
- 何かあると唇を歪めて「んんん~」と叫ぶ
- 木馬に乗って「あああ~」と叫ぶ
- SMグッズを買ってきてプレイする(冬彦がM側)
- 妻へのストーカー行為
風評被害者
佐野史郎 - 演じた当人だが、もちろんマザコンではない。また、当時のことを振り返り「当時僕は変な人のつもりで演じてないからね」「何一つ…お母さんのことを思って一生懸命やってたんだしさあっていうスタンスでやってたんで、変な人を演じようとしてたわけじゃない」と述べている。
スポニチアネックス記事、TBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」2023年8月20日放送分出演時の発言より
田代冬彦 - 名前の由来となった、佐野史郎の古くからの友人にして当時TBSテレビプロデューサー→現TBS執行役員。前妻の秋野暢子との離婚の原因に彼がマザコンだった、という話はない。
関連項目
毒親の被害者・哀しき悪役:同情できるかは人によって分かれるが、境遇はこれ。
藤堂武史:冬彦の翌年の特撮ヒーロードラマ「電光超人グリッドマン」に登場したキャラクターで、当初は悪役として登場していた。 冬彦と異なり、キチンと自活し健康管理もしっかりしており、ある程度の良心は持っているが、幼少期に起きたある悲劇と両親の愛情を受けられず、両親からロボットの様な扱いを受けた為、闇堕ちしてしまい、魔王カーンデジファーの奴隷となってしまう。
最後は自らの過ちを認め、自らカーンデジファーを倒す契機を作り、改心する。
間違いなく冬彦の影響を受けたに違いない。