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概要編集

TBSテレビの「金10」こと金曜夜10時のテレビドラマ枠で、1992年7月~9月に放送されたテレビドラマの1作。

「主人公の女性がお見合い結婚した相手とその母親の横暴に耐えられなくなり、元の恋人とよりを戻す」という、トレンディドラマ全盛期の当時としてはあまりぱっとしない設定の物語である。

そのためか初回視聴率は13.0%と振るわなかった。


主要キャスト(Wikipediaに記載のある人物から一部抜粋)編集

桂田美和(旧姓「西田」):賀来千香子 - 主人公

桂田冬彦佐野史郎 - 美和の結婚相手

桂田悦子:野際陽子 - 冬彦の母親

大岩洋介:布施博 - 美和の元恋人

中井律子:宮崎ますみ - 大岩の恋人

中井健治:小沢仁志 - 律子の兄

西田常雄:橋爪功 - 美和の父親

西田春子:高田敏江 - 美和の母親

高田幸治:田辺誠一 - 大岩のチームメイト


主要スタッフ編集

脚本:君塚良一

プロデューサー:貴島誠一郎

主題歌:「涙のキッス」サザンオールスターズ

音楽:小林武史





















しかし編集

概要節の通り、初回から第7話までは視聴率20%を切る低空飛行だったが、第8話以降は20%を超え最終回に至っては34.1%と、当年のテレビドラマでは最高視聴率を出している。

その理由は、佐野史郎と野際陽子による怪演にある。


主人公と結婚した桂田冬彦は、当初は「結婚生活がうまくいかない男」というだけの設定だったが、冬彦が指を怪我したときに止血のために母親が冬彦の指をくわえる演技から着想を得て、急遽マザコンキャラに路線変更。

更にスタッフが用意した木馬に乗ったり、唇を歪めて「んん~」と唸ったり(※1)、さらにはSMグッズを買ってきてMになったり、というあまりにも強烈な演技を展開。

このようなキャラクターは当時としては極めて異端であり、視聴者に大きな衝撃を与えたばかりでなく、ドラマ自体も視聴者の期待に応える形で冬彦の変態ぶりを強調する展開にシフト。

結果として視聴率の劇的な向上を果たした他、その後数年間過激な演出を取り込んだドラマを生み出すきっかけとなった。

また、「冬彦さん=マザコン」という印象を与えることとなり、演じた佐野史郎や名前の由来となった田代冬彦(※2)がマザコンであるという印象にも繋がっていった。


(※1)ただしこの2つが同時に存在するシーンはないが、木馬に乗ったときに「ああああ~っ!」と叫んでいる。

(※2)当時TBSテレビのプロデューサーで、佐野史郎とは劇団時代からの友人同士である。前妻の秋野暢子との離婚の理由にマザコンはないらしい。


そして編集

本作の1年後には、賀来千香子・佐野史郎・野際陽子による実質上の続編「誰にも言えない」が制作されている。またこの3人による共演作は多く、佐野と野際が共演している(ただし親子関係ですらなく設定も性格もまるで別物だった)「ダブル・キッチン」が1993年春に制作されている。


余談編集

  • 先述の通り、冬彦をストーリーの主軸に移すことで成功した本作であるが、相対的に影が薄くなってしまった大岩洋介役の布施博は不満が残ったとの事。
  • 2017年に野際陽子が逝去した際、佐野史郎はブログで野際を「第二のお母さん」と称し、哀悼の意を表している。

関連項目・リンク編集

マザコン - 本作を機に「冬彦さん」ブームが起きた。

誰にも言えない - 1年後の同じ放送枠のテレビドラマ。実質的な続編だがタイトルの本当の意味は…。

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