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楽園(軌跡シリーズ)

らくえんというなのじごく

『軌跡シリーズ』に登場するD∴G教団のロッジ。そして、軌跡シリーズのファンにとって最大級のトラウマ。
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概要編集

空の女神を否定するD∴G教団が有するロッジの中でも最悪とされるロッジの一つ。


ここでは誘拐された子供たちにグノーシスを投与した実験を行う一方、各国の政府や軍の有力者達を招いて子供たちによる売春まで行わせていた最悪のロッジ。


結社がその存在を察知すると共に、パイプのある有力者に接触されたために剣帝漆黒の牙を派遣して壊滅させ、教団の信者達も皆殺しにする。


この楽園はあまりにも凄惨且つ最悪であったために結社すら殲滅が最優先で行われ、具体的な研究成果も放置して被験者となっていた少女を保護し、後に彼女は執行者No.XV殲滅天使となる。


ちなみに現実にも各国の政財界の有力者や王族を招き10代前半の少女に性的接待をさせたリトル・セント・ジェームズ島(エプスタイン島)と言う島が存在する。





























※この先黎の軌跡Ⅱのネタバレあり































所在地編集

軌跡シリーズのユーザー視点で存在が示唆されて二十年近く経ち、遂にその所在地が判明する。その所在地はカルバード共和国領の南海に存在するネメス島。表向きは高級リゾート地とされている絶海の孤島であった。


高級リゾート地となれば各国の政財界の要人や軍の重鎮が休暇で訪れるのも必然であり、何も知らずに招かれた要人も薬を盛られて娼館に引き込まれて教団の手蔓にされてしまっている。具体例としては七耀暦1204年のクロスベル自治州議長のハルトマンで、教団の手先によって招かれてしまい、楽園の利用自体を弱みに資金提供や隠れ家の手配をさせられた。加えて、影響下にあったマフィアルバーチェ商会と子飼いの警備隊司令、ルバーチェと癒着のあった警察局長までもが間接的に教団に引き込まれるという最悪の事態を招いた。


クロスベル発祥のD∴G教団の被害が何故共和国で大きかったのか。王国時代のカルバードの地理に明るい王家が幹部として招かれた以外に教団の活動資金などを確保する為の手蔓にする場所としての楽園が共和国、それも絶海の孤島に存在したためである。ここの利用者には共和国軍上層部の人間もおり、アルタイルロッジの壊滅に共和国軍が動けず、クロスベル警察に任せる要因となった。


ネメス島自体には教団信者ではない島民も在住していたが、教団は島の七割以上を支配下に置いており、居住区画の村や鉱山も教団が建造していたもの。更には、一般島民が利用していた教会の司祭すら実態はD∴G教団の信者という最悪の様相であった。


壊滅後に島の実態を知らされたのか、一般の島民達は島を引き払い、教団の犠牲になった子供たちの墓が現在の未開発地域の片隅に建てられることとなった。尚、娼館は宿泊用のヴィラに改築されており、島の管理人のある老人はこの島がD∴G教団に支配されていた頃の住民で、罪の意識と贖罪のために島を良いリゾート地にしようと留まり続けている。が、やはり教団の支配下で子供たちを救えなかった罪悪感もあって、子供たちの墓は避け続けていた。


尚、共和国の裏社会では有名なD∴G教団だが、楽園の名前自体はMKを始め裏の世界では有名だったが、只でさえ謎が多い結社に潰されたこともあって、所在地は殆ど知られることはなかった。





楽園の真実編集

”神の器”――――ヤツらはそう呼んでいたらしいな。


この島は、クロスベルの幹部司祭ヨアヒム・ギュンターから見れば的外れの研究を行うロッジであった。(言い換えれば信心深いヨアヒムすらもその実態を把握していなかったとも言える。同時にロッジ同士の繋がりの薄さも裏付けている。)


しかし、このロッジで行われていた実験自体は教団が本来崇めている真なる神(デミウルゴス)に関わる形で行われていた。この島では、『真なる神』を降ろす儀式のための器を作り出そうとしていた。つまり、『神を降ろす器』に相応しい『完全な人間』を。……読んでそのままの通り肉体的にも精神的にも。


それこそ手段は選ばれず、『教団の息のかかった病院で出産間近の母親への薬物投与と遺伝子操作』、『他のロッジの研究で壊れてしまった子供の再利用』が行われていた。その副産物として、様々な研究成果が溜まっていき、殲滅天使で確認された研究成果もその一つであった。


殲滅天使の実験で確認されたグノーシス投与による人格の移植はそのサンプルとされており、彼女の実験成果を以て研究が進められ、別のロッジに所属していた教団の信者の夫婦が楽園に連れてきて、我が子に実験を受けさせられた結果、遂に最も有望な被験者である完全な人間……つまり、伝承のそれと同じ男でも女でもある天使が完成した。











連中は”幽世の門”なんて呼んでいたみたいだがな。




が、天使の完成をもってしても教団の狂気はそれに留まらなかった。なんと教団はゼムリア大陸自体を神の降臨に相応しい大地に作り替えようとしていた。つまり天使と悪魔、邪神が存在する高位次元の存在を招き入れようとしたのである。


殲滅天使の人格移植、人造天使の完成もその仕込みの一環であった。


『否定すべき女神を奉じる愚かな人々を高位次元の霊体と入れ替え、この世界を真の楽園に作り替えてデミウルゴスを招き入れる。』それこそが、この楽園で行われていた実験の実態。つまり、教団の教義において、この島は正に楽園の原型だったのである。


普通ならば馬鹿げた妄想でしかないこの狂気の楽園。だが、莫迦も突き詰めれば化けると称されたように……方法自体が正しかったのである。皮肉なことに教団壊滅作戦で死んだ信者達のデミウルゴスへの妄執と女神を奉じる人々への憎悪、何よりも楽園で犠牲になった子供たちの数多の無念が高位次元の悪魔を引き寄せ、門を開いてしまったのである。



楽園の終焉編集

結社の破戒が謝肉祭に近い極限状態で島の怨念達を呼び起こし、オクト=ゲネシスの外郭で門を完全に開こうとするが、アークライド解決事務所の奮闘、何よりもこの楽園で犠牲になった子供たちの内、殲滅天使と仲が良かった四人の残留思念が力を貸してくれたことで、首都の汎魔化を遙かに凌ぐ化け物達が大陸中に出現する百鬼夜行を阻止し、楽園は今度こそ完全な終焉を迎えた。


尚、破戒が謝肉祭や汎魔化をも超える最大級の劇場型犯罪とも言える教団の後始末に拘っていたのは、別の計画への協力のついでに付き合いの長い殲滅天使のトラウマを払拭する意図もあったらしい。当然、当の本人は不快以外の何物でもないが。


































尚、教団は知る由もなかったが《楽園》に保管されていた古代遺物に百年前の民主化革命でカルバード王家を打倒したある革命家の怨念が取り込まれており、楽園壊滅から十二年後にその怨念が現世に蘇る。


しかし…………実験の成果としても女神の否定という表面上の教義の上では正道を進んでいた楽園であったが、肝心の真なる神を降臨させるために器など必要がなく、そもそも最初から真なる神に至る存在が太陽の砦にいたため、その意味ではヨアヒムやジェラールが言うように的外れでしかなく、女神を否定する教義の元で手当たり次第の悪行を行ったD∴G教団の分かりやすい例でもあった。


楽園の被害者編集

――楽園の生き残りで、楽園の教義の原点。十年以上の歳月を経て、ようやく楽園のトラウマと向き合い、払拭した。

人造天使――別のロッジから両親によって連れてこられ、楽園で天使にされた。楽園の教義のモデルで、デミウルゴスの器。


楽園の関連タグ編集

D∴G教団――楽園の黒幕。本来教団が崇める《D》=デミウルゴスへの信仰で動いていたが、その《D》の正体もそれが既にクロスベルに存在する事も知らずにデミウルゴスの降臨という見当違いの実験を楽園は行っていた。

真なる――教団が崇める《D》。既にクロスベルで眠った状態で存在していたことを楽園は知る由もなく、見当違いの実験を行っていた。




その凄惨な実験とあまりのおぞましさからファンの多くには最大級のトラウマとなり、黎の軌跡でそれが触れられた際には多くのファンに衝撃をもたらした。

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