概要
江ノ島電鉄(以下:江ノ電)が、非冷房のまま残っており、老朽化も進んでいた初代500形を置き換えるために製造した車両で、2002年~2003年に2編成が導入された。
江ノ電100周年記念行事の一環として導入され、レトロ車両として1997年に製造された10形をベースに、内装や屋根構造を簡略化した車両デザインとされた。
塗装は300形や初代500形など旧形車両で採用されていた緑色とクリーム色の「江ノ電標準色」だが、緑が濃くなり金帯が巻かれるなど、旧形車両のものとは少し異なっている。(なおこの塗装は、簡略化されて300形を除く全現役車両に採用される。)
本形式は置き換え対象であった初代500形(※更新工事で近代化されていた)の車体以外のほぼすべての機器を流用して製造された。ただし補助電源装置や蓄電池などは新製し、前面・側面のLED式行先表示器、連結面の転落防止幌を江ノ電で初めて装備したため、書類上は全車新造扱いで、改造車扱いではない。
塩害対策のため、ステンレス鋼板を多用して製造されているが、車体側面などは耐候性鋼板である。(10形などと同じ) ブレーキシステムは初代500形時代と変わっていない。ただし運転席は初代500形のマスコンハンドルとブレーキハンドルが独立した2ハンドル式から、一体型の江ノ電標準のワンマスコンハンドル式となっているため、ガルタン駆動装置・抵抗器・制御装置・ブレーキシステムの制御プログラムが変更されている。
車内はロングシートで、運転席後ろのみクロスシートとなっている。
2002年4月4日に第1編成(21+61)、2003年4月4日に第2編成(22+62)が導入され、他の車両と共通運用に就いている。
なお、第1編成はデビュー当初ナンバーがついておらず、第2編成導入時にナンバーが貼られた。
また、2010年11月には、全然開業100周年を記念し、第1編成がデビュー当時の車両をイメージした木目調のラッピングがされ、しばらくの期間「リバイバル車両」として活躍した。