概要
Vジャンプ2016年8月号の付属カードとして登場した光属性・天使族の下級モンスター。サイレント・ソードマンとサイレント・マジシャン、並びにレベルアップモンスターに関わるカード効果を持つ。
外見は金髪碧眼の女剣士、ポニーテールと片目隠れ、そして太ももの露出という鉄板の美少女キャラ(モンスター)。
モンスターのサーチに加え、一度ではあるが魔法カードの発動を封じ、さらには墓地からカードの回収(サルベージ)までこなすインフレの進んだ現代遊戯王にふさわしい能力のてんこ盛り……のはずだが、当時この能力を見たデュエリスト達からは「産廃」のレッテルを貼られることとなった。
カードテキスト
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「サイレント・ソードマン LV3」または「サイレント・マジシャン LV4」1体を手札に加える。
(2):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドのモンスター1体のみを対象とする魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。
(3):フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、
自分の墓地の光属性の「LV」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。
欠点
召喚成功時に特定のモンスターをサーチする誘発効果、自分フィールドのモンスターを1体を対象に取る魔法カードの発動を無効にできる誘発即時効果、墓地のLVモンスターをサルベージできる誘発効果を持つ。
先述した悪評の理由として、3つの能力すべてが絶妙に使いにくいという点が挙げられる。
サーチ範囲の狭さ
まず召喚時のサーチ効果の対象が「サイレント・ソードマン LV3」と「サイレント・マジシャン LV4」だけなのが不便。
この2枚はステータスが低く、レベルアップするには次の自分のスタンバイフェイズまで待たなくてはならない。そのため基本的には別のカードの効果で相手ターンに出し、返しのターンでレベルアップする方法が取られる。
たとえ出したとしても、低ステータスのモンスターを棒立ちさせるだけという問題が残っている。サイレント・パラディンも低ステータスなため、相手ターンの攻撃で一気に大ダメージを受ける危険もある。
さらに特殊召喚に対応せず通常召喚時にしか使えないのも難点。サーチしたカードを場に出すためには何かしらの方法で特殊召喚する必要があり、更にレベルアップさせるとなるとカード消費も激しい。このデメリットは《レベルアップ!》などの専用サポートカードでも簡単に覆せない。
無効化の条件が厳しい
次に魔法カードの無効化だが、「対象にとる」にも様々な形があり、逆に「対象にとらない」効果の場合もある。つまりモンスター1体のみを対象に取る魔法カードはそこまで多くなく意外と発動できない。
一応カテゴリによっては該当カードを多く有するが、低ステータスが災いして「殴り倒してから使用」というふうに簡単に対策でき、牽制役にすらなれない。
サポートにならないサルベージ
そして最後にサルベージ効果だが、低LVのモンスターは先述したように手札に持ってくるメリットが少なく、かといって高LVモンスターは手札事故の要因になりやすく、デッキからも召喚できるためこちらも手札に持つ理由が薄い。
テキストをよく読むと「サイレント~」以外の光属性LVモンスターも回収できて汎用性が高そうに思えるが、2024年現在で該当するのは《アームド・ドラゴン LV10-ホワイト》の1枚だけ。数が少ないどころではなく何の慰めにもならない。
総評
このように3つの能力すべてが弱いという逆に凄いモンスターとして、このカードは有名になってしまった。可能な限り早期にサイレント・マジシャン/サイレント・ソードマン達を手札に加えて召喚したいのであれば採用する価値はあるかもしれない……という擁護も焼石に水。
ちなみに1年前の同日に発売されたVジャンプに付いてきたカードも同じく産廃として名高い《絶望神アンチホープ》であり、そのことでも話題となった。
このカードも2人(2枚)と同じくリメイクされれば希望はある。無論、それがいつになるのかは公式のみぞ知る。
関連イラスト
関連タグ
レベルアップモンスター サイレント・マジシャン サイレント・ソードマン