「フン、それ(地上の制覇)ができるのは智略に長けた我らのみ」(第2話)
「積もり積もった怨み、憎しみ、その全てを込めて今こそ引導を渡してやる。止めだ、カブト!」(第48話)
CV:塩沢兼人
概要
深海魚の化石から生まれたマザーメルザードの次男にして、彼女の後継者候補の一人。深海魚を擬人化した青を基調の姿をした魚人。もう一人の後継者にして長男のライジャの事は「兄者」と呼んでいる。
青いマントを羽織っており、親衛隊も同色のマントを身に着けている。水性生物を基にした通称「海の兄弟」のまとめ役であり、親衛隊長の石貝侍従ドードを側近としている。
その性格上、前線に立つ事は少ないが、戦えば戦闘能力は兄に遜色がない程に高く、手から光線を放つ事ができる。
性格は、自他共に認める狡猾な頭脳派であり、敵を策略に嵌めて攻略をする事を好む策略家。それ故に無骨で生粋の武闘派のライジャの事は見下しており、マザーメルザードの後継者の座を巡って激しく対立していて兄弟仲は険悪そのもの(そもそもマザーメルザードが「メルザードに絆や友愛等不要」という考えから、意図的に彼等の対立を煽っている)。しかし、必要とあればライジャと手を組もうとする等、兄弟としてのその実力は認めているらしい。
母親のマザーメルザードに対しては基本的には忠実だが、41話で彼女が眠りに付いた際には、彼女を差し置いてライジャもデスコーピオンも排除し、自身がメルザード一族の新たな支配者になろうと目論み、この際には母親の事すらも「最早障害に過ぎない」と言い切っていた。
しかし、彼女に制裁を下されて彼女の力を知って以降は、再び彼女に対する忠誠を誓っている。
一見すると部下も捨て駒にする冷酷非情な人物に見えるが、側近のドードに対しては彼がビークラッシャーに弄ばれていた際には助けたり、彼が自分を庇った際には動揺したりと、明確に情と信頼を見せている。また、自分の部下を捨て駒にするような作戦は、意外にも劇中ではあまりしていない。
しかし、ドードの前ではかなり気を許しているらしく、そのせいで覚醒したマザーメルザードがドードに宿っている事に気付かず、その前で自身の計画や彼女への叛意を語るという大失態を犯している。
デズル・ザ・グレート
第31話でビークラッシャーの台頭に危機感を覚えた事とマザーメルザードの煽りで、彼女に頼んで彼女の体内で自身の選りすぐりの親衛隊達を取り込み、生み直して貰った強化形態。本人曰く「デズルにしてデズルにあらず」。
トライデントや魚型の左手からの衝撃波を武器とし、純粋な肉弾戦の戦闘力も強化されている。
しかし、カブトの新武装カブトニックバスターによって倒されたが、唯一残った頭部にはまだ意識が残っており、それをドードが回収してライジャと共に治療にあたっていた。
復活後
第36話で闇の意志の力で復活強化を果たす。
全身が完全に黒一色の禍々しい姿となり(メイン画像参照)、マントの中は支えのみという異様な姿をしている。元の身体が頭部しか残っていなかった為か、同時に闇の意志の力で強化復活したライジャ比べても、全身の変貌っぷりがより激しい。
戦闘能力はデズル・ザ・グレートより更に強化され、より強力な衝撃波を操れるようになった上、肉体の耐久力や肉弾戦も更に強化されている。加えて同じく闇の意志の力で甦ったライジャと力を合わせる事で、暗黒合成獣を生み出せるようになる。
復活後は、ビークラッシャーと拮抗する為に上記した暗黒合成獣の件もあって兄弟で組むようになったが、41話では自身が新たなメルザード一族の支配者となるべくライジャを嵌めようとした。しかしその結果、互いの結び付きが弱まり、以降は暗黒合成獣を生み出せなくなってしまう。
最終決戦では、遂に突き止めたビートルベース破壊作戦に際して、マザーメルザードからの密命を受けて基地の自爆プログラムをセットし、全世界の支部や基地をも連鎖爆破しようとする。結果的に他の支部の爆破には失敗したものの、ビートルベースとネオビートマシンの破壊には成功する。
そして、改めてビーファイターも葬ろうとし、ドードが身代わりとしてカブトランサーを突き立てられた状態で押さえている間に、カブトにトドメを止めを刺そうとするが、逆に彼等の一撃で自身も吹き飛ばされてドードと共にカブトランサーで貫かれてしまい、最期は身動きが取れない状態でカブトニックバスターを食らって2人まとめて葬られた。
その死に対しては、マザーメルザードは目を見開いて絶句し、ライジャは激しく憤ってビーファイターへの怒りを露にする等、彼等も肉親の情はちゃんとあった模様。
また、マザーメルザードは上記の生み直しを許したり、自身への叛意を明確に口にした後も、彼が改めて忠誠を誓えば特にそれ以上の制裁等はせず、最終局面では彼の能力を見込んでビートルベース破壊という重要な任務を任せたりと、なんだかんだでデズルには甘く、彼を後継者候補に見込んでいたのも本心だったと思われる。
余談
- 「ビートルボーグ・メタリックス」での名称はヴァイラー。ヌークス(ライジャ)と同格でなく、その側近という設定。
関連タグ
闇商人ビズネラ:塩沢氏が2年後の戦隊で演じた策略家の幹部で、武闘派の上司より先に退場している点も共通する。ただし、こちらはその武闘派の上司を慕っており、智謀は普通に組織内では役立て、罠に嵌めようとするのは外敵のみなのが異なる。
クバル:20年後の戦隊の頭脳派の幹部で、武闘派の幹部と仲が悪く常に張り合っている点が共通する。こちらも武闘派の幹部より先に退場している。