潜水艦隊とは、海軍部隊の中でも潜水艦の運用を役目とする艦隊、あるいは潜水艦で構成された部隊である。SLBMの登場により、核保有国において核戦力を担うことも。部隊としての潜水艦隊の場合、必ずしも潜水艦だけで構成されているわけではなく、支援や救助用、場合によっては旗艦として潜水母艦や潜水艦救難艦といった水上艦も所属する。
各国
日本
大日本帝国海軍においても海上自衛隊においても、分散していた戦隊・群をまとめる形で部隊としての潜水艦隊が結成された。
- 第六艦隊 - 昭和16年に結成された、日本海軍における潜水艦隊
- 潜水艦隊 - 昭和56年に結成された自衛隊の潜水艦隊。横須賀に司令部を置き、呉の第1と横須賀の第2の二つの潜水隊群、教育・試験部隊の第11潜水隊を受け持つ。
アメリカ
大西洋と太平洋の2つの大洋に面するため管理部隊は両方にそれぞれ置かれ、潜水艦隊も大西洋と太平洋の二つがある。太平洋艦隊潜水艦隊は、対日戦において猛威を振るった。
イギリス
1901年に立ち上げられた100年選手。初期には (潜水艦そのものが)「卑劣な海賊」などとののしられたが地道に実績を上げ現在ではイギリスの唯一の核戦力にまでなった。なお海賊呼ばわりに対してある艦長が戦果を挙げると海賊旗を掲げるようになり、これが艦隊中にひろまってついには潜水艦隊のロゴにまでなった。なお、正規の司令官とは別にウィリアム王太子が名誉司令 (名誉連隊長の海軍版) となっている。
フランス
1900年に潜水艦を装備し、実用的な潜水艦戦力を持つ最初の国となった。こちらも戦略原潜を有し、核戦力の中核を担う。
ドイツ
二度の大戦でUボートを大暴れさせたが単一の部隊としての潜水艦隊は存在していない。ただし第二次世界大戦ではデーニッツの下で本来管理用の司令部 (BdU) が実質的な艦隊司令部を兼ねた。
ソビエト・ロシア
ソ連海軍以来の潜水艦大国。しかし地理的な問題で単一司令部はおけず、各艦隊にそれぞれ司令部を置いている。北方・太平洋の二艦隊はそれぞれ戦略原潜を有している。