現代片桐概論
げんだいかたぎりがいろん
現代片桐概論は、受験倍率0.25倍の「沖縄片桐大学」にて開講されている科目であり、教官は小林賢太郎非常勤講師。
ネアンデルタール人と共に活動していた壁画が発掘されるほど、古くから人類と深い関わりがある生物「カタギリ」。現代日本でも雨上がりの道端でよく死骸が見られるニホンカタギリなど非常に身近な生物である。また世界中には小さいものでは体長約10cmでペットとして珍重されるモモイロヒメカタギリから、大きなものでは世界最大の哺乳類である体長70mのコモドオオカタギリまで、多種多様な種が知られている。
一方、その生態には未だに謎も多く、分類などを巡って学会で活発な議論が交わされており、片桐学は今後ますます発展の期待される学術分野でもある。本講義では、そうした不思議で魅力あふれる生物であるカタギリの多様な種や生態、さらに最新の研究状況に至るまで、初学者にも分かりやすく概説する。
なお、受講希望者はテキスト『現代片桐概論』(片金書房館)をあらかじめ購入しておくこと。また参考図書として、小林講師監修の新刊『まんが片桐学入門』(作画:石ノ森章太郎)があり、定価¥1,200-のところ、講師から購入すれば著者割引により¥1,000-で入手できる。
お笑いコンビラーメンズの活動初期のコントの1つ。
多数の芸人を発掘したNHKのお笑い番組『爆笑オンエアバトル』の記念すべき第1回収録(放送は1999年3月27日)において、トップ通過となる512キロバイト(545キロバイト満点)を獲得してオンエアを勝ち取ったネタである。この番組では与えられた持ち時間の都合から5分弱の長さであるが、ラーメンズの単独公演では10分弱のロングバージョンが披露されていた。
コントのシチュエーションは、架空の大学「沖縄片桐大学」で開講されている生物学・生態学の講義風景というもの。特徴的なのは、コントの最初から最後まで講師役の小林賢太郎が講義を行うのみであり、相方の片桐仁は講義のテーマである生物「カタギリ」の剥製として、微動だにせず小林の脇に立っているだけで一言もしゃべらない、というスタイルである。
舞台などのロングバージョンでは、小林が片桐を担いで教室に入り(=舞台に登場し)、カタギリ標本を立ててポージングを整えてから講義を始める場合もあった。
「教材用片桐仁」とプリントされたランニングシャツにブリーフと白ソックスのみを着用した片桐の姿だけで出オチ感があるのだが、そんな片桐を尻目に小林講師は「モンゴルでは現在でも遊牧民がカタギリを飼っており、肉・皮・毛・骨などあらゆる部位が利用されカタギリに捨てる所なしと言われている」「年に一度カタギリは海辺に産卵のため大移動し、カタギリの精子で海水が白く染まる『ギリ潮』という現象が起こる」「カタギリは人類よりもカモノハシなどの有袋類に近いという意見もあるが、この学説を発表した教授は学会を追われてしまった」等々、カタギリの生態や先行研究について興味深げに解説していく。
視聴者は小林の解説を聞きながら横のカタギリ標本を見ることで、遊牧民に飼われる片桐、海に大移動する片桐の集団……を頭の中に想像せざるを得ず、笑いにつながるという構図のコントである。
ちなみにこのコントに登場する「教材用片桐仁」は携帯ストラップとしてフィギュア化されている。
以下、片金書房館刊『現代片桐概論』、ピーター・ラズウェル著『人類と生きるカタギリ』参照
主な種
カタギリ(モウコカタギリ)
カタギリの原種。主な生息地はモンゴルで、現地の遊牧民はこれを食料・衣料・加工材などに幅広く利用する。
ニホンカタギリ
学名:ニッポニア・カタギリウス・パーマネントジンピテクス。日本に広く分布し、目にすることの多い身近な種。降雨時に活性化し、雨上がりによく死骸を発見する事が出来る。
エゾカタギリ
北海道に分布する、ニホンカタギリの近縁種。夏は黒く、冬は白い外皮をまとう。春秋の間は頭頂部の毛髪がまとめて抜け落ちる。
体長約10cmの極めて小型の種。愛玩動物としてマニアの間で珍重され、高額で取引されている一方、密輸などの問題も発生している。
体長約70mを誇る世界最大の哺乳類。世界で数頭しか生存が確認されていない絶滅危惧種でもある。その大きさから、神と崇められ神話に登場する例もある。
シーラカンカタギリンンウス
生きた化石と呼ばれる、カタギリとしてだけでなく生物としても古い種。この名称は学名だが、その学名も論争中であるため今後変わる可能性がある。
人類とカタギリ
古代人とカタギリ
人類とカタギリの繋がりは古く、ネアンデルタール人と狩りをしていた様子が壁画に残されている。ナスカの地上絵にカタギリの姿が描かれていることも有名。
一説ではあるが、土偶やスフィンクス、ジャイアントロボ、ライディーンなどもカタギリがモデルではと言われている。
遊牧民とカタギリ
モンゴルの遊牧民たちはカタギリを様々な素材として利用する。肉は食料、皮は住居、毛は衣類、骨や歯は楽器や装飾品など。そして特筆すべきはガラス質の眼球保護膜を用いて太陽光を集め火を起こすことである。
現地の言葉で「エテラレテマリビシンシキディタスマロディ(カタギリに捨てる所なし)」と言われている。
世界四大珍味
モンゴルを中心に生息し、地中海でも産卵を行うカタギリは、ヨーロッパの食文化にも影響を与え、世界四大珍味としてその名を知られる。
カタギリの産卵
産卵地
多くの種が内陸国のモンゴルに生息するが、それらのカタギリは年に一度大移動を行い、地中海で産卵する。これは季節風や海流、さらに原産地が欧州にあるのではないかという説など、様々な理由が挙げられているが、どれも実証には至っていない。
また日本に棲むカタギリは沖縄周辺や本州の日本海側で産卵を行う。
産卵時期
夏至の頃に一団となって産卵地に向かい産卵を行う。
受精法
カタギリの受精は体外受精で行われる。メスが海中に生んだ卵にオスが放精するのだが、オス一頭の放精量は非常に多く、産卵地の海面が一時白濁するほどである(ギリ潮現象)。またオスの精液はたんぱく質が多く、卵と共にイカなどの海洋生物が捕食に現れる。
保卵
カタギリは下腹部に孵化室をもち、この中に受精卵を入れて育てる。その育成期間は約25年と長く、多くの卵はこの間に死滅してしまう。