概要
山本アリフレッド氏が描く漫画「理系が恋に落ちたので証明してみた。」のキャラクターが、おとぎ話を科学的に考えてみた、もしくは都市伝説に遭遇したというおまけ漫画に付けられているタグである。
ニコニコ静画では「理系おとぎ話シリーズ」「理系都市伝説シリーズ」のタグが付けられている。
内容が内容なので話がおかしな方向に進んでいき(アニメ7話での氷室いわく、「つい気になっちゃって」とのことで、雪村にいたっては「おとぎ話は非現実的な展開が散見される」と言っている)、殆どの作品のオチで奏がツッコミを入れるのがお約束のパターンとなっている。
また、かぐや姫と鶴の恩返しなど日本が舞台のおとぎ話以外でも、何故か原作の舞台となった国ではなく日本国内が舞台になっているのも特徴。
作品一覧
「理系○○」ではじまるシリーズ
理系シンデレラ
主役は氷室。
魔法使いの魔法は核反応と考察され(確かに核反応は質量保存則を無視するが…)、夜中の12時に魔法が解ける設定はグリニッジ標準時12時00分56秒と細かく設定された。何もここまでクソ細かくしなくてもいいんじゃ…
王子様がシンデレラを見つける方法も、ガラスの靴がぴったり合う女性を探すのは「該当者が多数出てしまう」とのことで、ガラスの靴の内側についた角質からDNAを採取し、DNA鑑定をする方法に変更された。
ちなみにシンデレラは冒頭で自分を置いて舞踏会に行こうとした継母と義姉たちに対し、「不細工なお義母さまたちが行くより、自分が言ったほうがコストパフォーマンスがいい(要約)」と冷静にツッコんでいる。
オチの奏の台詞は原作では「クソだ」、アニメでは「ちょっと待ってー!」となっている。
理系かぐや姫
主役は雪村。
かぐや姫が入っていた竹が光る理由は生物発光と考察され、竹から発見されたかぐや姫(なぜか発見された時点で既にナレーションから『理系女子』と呼ばれている)はホルムアルデヒド漬けにして前山研送られそうになった。かぐや姫死ぬぞ…
成長したかぐや姫が求婚者たちに出した難問は「フェルマーの最終定理」に、かぐや姫が月に帰る手段はロケットに変更された。
オチは「はーい続きませーん!! 終了ですよ終了ー!!」。
理系つるのおんがえし
主役は雪村。
鶴を助けて(理由は元ネタと違い、タンチョウヅルが絶滅危惧種だからという現実的なもの)美女が家にやってきて恩返しで布を織るのは原作と同じだが、「美女の正体が鶴なのは科学的に考えてありえない」という理由で、美女はただの人間に変更され、布を織る織機は雪解け水を利用して発電するエアージェット織機になり、後に二人が改良したエアージェット織機が繊維産業に革命を起こし、自動車部門が独立して二人は大金持ちになるストーリーになった。
そのため原作では、オチで氷室が結末を変えた理由について奏は「タイトルを変えろォ!!」と怒り気味にツッコんでいる(アニメでは尺の都合なのかツッコんでいない)。
なお、アニメで映像化されたのは、今の所ここまでとなっている。
理系にんぎょひめ
主役は氷室。
嵐で沈んだ船から王子様を助けた人魚姫は海上保安庁に連絡。人魚姫の原作者はデンマーク人なのだが、なぜか舞台が千葉県沖になっている。
後日、人魚姫は人間になるために魔女に会いに行くが「そんな薬は存在しない」と断られ(シンデレラの時と違って何も出来ないのか、この魔女は…)、それならばと尻びれ(※)にバイオニクス義肢技術を使った義足を付けて貰おうと地上で義足を手に入れようとするが、いつの間にか手段と目的が入れ替わってしまい、義足を手に入れたはいいが結局王子様と再会しないまま話が終わってしまった。
オチは「とっとと王子様んトコ行けやァァ!!」と上記の鶴の恩返し以上に怒っている。
なお、人魚姫が義足を手に入れるシーンはプロジェクトX風になっている。
(※)作中では尻びれとなっているが、実際は足が変化したものなので、正確には腹びれである。
理系白雪姫
主役は氷室。
魔法の鏡は東京大学が開発した顔鑑定AIを利用して白雪姫と王妃の美しさを比較(ちなみにAIの製作者は白雪姫)、毒リンゴの毒は硝酸ストリキニーネと考察され、王子様が白雪姫を起こす手段はキスではなく、気道確保しながら解毒剤と鎮静剤を投与する手段に変更された。
オチは「おとぎ話の中でおとぎ話を全否定すんなよ」。
理系メリーさん
今回は氷室が悪夢を見て目を覚ましたシーンからスタート。
元ネタ同様メリーさんは電話をするたびに近づいてくるが、氷室はメリーさんが来る手段を瞬間移動ではなく、マッハ1.4もの猛スピードで街中を飛んでくると考えたらしく、話を聞いた雪村共々違う意味で恐怖していた。
オチは「メリーさんってそんな話だったっけ」。
理系口裂け女
今回は理系女子な口裂け女が主役。
口裂け女が道行く人に声をかけ、自分の顔がきれいかそうじゃないかを問うというもの。
マスク有りとマスク無しを比較した結果を見て「裂けた口がある限り自分はきれいになれない」と嘆いたが、いきなり現れた雪村に「お前のやり方自体は正しいが、変顔(雪村にはそう見えたらしい)をしたら評価が下がるのは当たり前だ」と叱責され、最後はぎこちなく笑顔を作って雪村に褒められるところでオチとなった。
理系赤ずきん
主役は棘田。赤ずきんのお母さん役は池田先生で、オオカミ役は虎輔。
お婆さんを食べて赤ずきんを待ち伏せる狼だが、すでに正体に気付いていた赤ずきんに言葉巧みに弄ばれたばかりか、通報アプリで警察(演じた雪村いわく「理系警察」)に通報されたあげく、歯科医に歯形を照合され、逮捕された。
なお、原作者はこちらはフランス人なのだが、オオカミを逮捕した警察は群馬県警となっている。
オチは奏ではなく虎輔に「オレが逮捕されんの変にリアルに描写すんのやめてくれねぇっスか…?」と力無く言われた。
理系こっくりさん
幼い頃の雪村と氷室が主役(描写からして恐らくは氷室の回想)。
最初は怖がっていた氷室と、「こっくりさんなど存在しない」と言い切っていた雪村だが、あらかじめ紙に書いておいた数字と数学記号にこっくりさんが何とか対応したことでリミッターが外れ、難しい公式を次々に質問。結局一晩中質問を繰り返し、こっくりさんは疲れきってしまった。 それに一晩対応したこっくりさんも凄いが…
なお、二人は質問を繰り返すうちに妖怪じみた表情に変わっていた。
理系一休さん
主役は雪村。話が話なので頭はツルツルに剃りあげられている。
最初の「このはしわたるべからず」という立て札が立てられた橋では、不明確な表現が死ぬほど嫌いな性格ゆえ「端なら何メートルまでが端なのかはっきりしろ!!」「道路法を読んでいるのか?」と怒りをあらわにした。 あれ? とんちはどうした?。
和尚さんが水飴を「子供には毒」と言い張って小僧たちにあげようとしない話では、クロマトグラフ分離解析とICP発光分光分析で毒が含まれていないことを確認。 むしろ頭が硬くなっているような気がするが、それ以前にどこから機械を調達したんだ。
最後のお殿様が「夜に屏風から虎が出てきて人を襲って困っているから捕らえてくれ」という場面では、殿様がバカだと思ったのか「頭大丈夫か?」とツッコんだ後、大型油圧プレス機で屏風を破壊。
屏風を壊されたお殿様が嘆くシーンで話は終わった。
理系きこりと泉の女神
主役は雪村で、女神役は氷室。
うっかり斧を泉に落としてしまった木こりの雪村、現れた女神に「あなたが落としたのは金の斧と銀の斧のどちらですか?」と聞かれ、柄と斧頭の比率まできっちり正確に答えて斧を返して貰おうとしたが、なぜか嘘をついていると判断されて返して貰えず。
翌日、経年劣化による腐食や含まれる不純物なども入れてより細かく正確に答えるも、やはり返して貰えなかった。女神疑り深すぎる…
それからは証明の方法を思いつくたびに斧を一時的に返却して貰っているのか、試行錯誤とケンカを繰り返し、やがてはX線を使って金属の割合を測定する方法を思いつき、斧に使われている金属とそれ以外の物質の割合を完璧に答えたことで、「合格」と本当に斧を返して貰った(作者いわく「柄の木の部分もちゃんと含まれています」とのこと)。
相変わらずグラインダーやX線照射装置など、当時は存在しなかった機械が出てくるな、このおとぎ話。
理系走れメロス
主役は雪村。
笛を吹きながら、全自動で羊を養殖し、メルセンヌ素数を手計算で探索して暮らしていたメロス。だから当時はこんな機械は無いっつーの!!
憶測で物事を判断してばかりの暴君ディオニスの横暴に対して激怒はしなかったものの、「動物並みの知能」と蔑むなど、とにかく口が悪かったため、暴政を批判したため不敬罪で捕まってしまう。
「殺すなら3日間の猶予が欲しい」というメロスに対してディオニスは不信感丸出しな視線を向け、更には帰る手段がヘリでの移動だったため、「走る気は無いのか!?」と心の中でツッコまれる。
妹のセリヌンティウスを人質に残してヘリで旅立ったメロスだったが、途上で嵐に遭い、小屋に立ち往生したメロスはやむなくオンラインで結婚式に参加。
その後も橋を補修したり、テイザー銃で山賊を撃退したりと、テクノロジーの力で困難を乗り越えていった。
最後にメロスが王城に着いたときに太陽が出ていたかはVARで判定され、王は改心した。
オチは奏に心の中で「サッカーに影響されすぎ」とツッコまれた。
理系トイレの花子さん
主役は幼少期の氷室。
虫の観察で帰りが遅くなってしまい、トイレに寄ってから帰ろうとしたが、そこは(何故か)理系の花子さんが出るという噂のあるトイレだった。
トイレのどの個室から花子さんが出てくるのか忘れてしまったが、モンティ・ホール問題を思い出し、花子さんがいる個室を発見。
氷室は花子さんと意気投合し、夜明けまで語り合ったそうな。
オチは奏に「そんな事が現実にあってたまるか」と心の中でツッコまれたが、氷室本人はこの時の記憶が夢なのか現実なのか分からないのであった。
理系マッチ売りの少女
主役は棘田。
寒い冬の夜にマッチを売っていたが、マッチは一本も売れず、かといって全部売らないとろくでなしの父親に殴られるので帰れない。
仕方なくマッチの火を灯すと、美味しそうな七面鳥や温かいストーブ、優しかったおばあさんが幻となって現れるのだが、火が消えると消えてしまう。
すると、火力と燃焼時間が足りないと思ったことと、当時のマッチは有毒の黄燐が使われていたことで、毒性の無い安全なマッチの開発を思いつく。
別方向からもアプローチを考えた結果、フェロセリウムのやすりでベンジンなどの揮発性燃料を燃やすジッポライターを開発し、便利になったが蝋燭と火力が変わらなかったため、今度はガス灯をヒントにガスバーナーを開発。
ライターとバーナーはよく売れ、少女は金持ちになった。
ついでに父親に殴られることも無くなったのであった。
現在は削除されている。
「理系○○」ではじまらないシリーズ
ドッペルゲンガーを見て死んだ人の話
今回はとある女子大生二人が主役。
タイトルが「理系○○」ではじまっていないが、このシリーズに属する。
女子大生二人組の片方が、友達が高校生の頃にドッペルゲンガーを見て5日後に死んだという話を聞いて、自分もドッペルゲンガーを見てしまい、死を覚悟するが、いつの間にか現れた雪村に「『ドッペルゲンガーを見たから死んだ』を証明するのは難しい」「健康な人がいきなり死ぬのはよくあること」「妙なものが見えたら病院に行け」と言われる。
後日病院でMRI検査を受けたところ、脳に異常は無く、単に恐怖で幻覚を見ただけだと判明。
彼女は64年後に、家族に見守られながら死んだそうな。
八尺様と理系少年。
主役は幼少期の雪村で、こっくりさんと同じく回想だと思われる。
こちらもタイトルが「理系○○」とはなっていないが、このシリーズに分類される。
学校の隣の公園に八尺様が出るというクラスメイトの話を偶然聞いた雪村は、怪異など存在しないと証明するために公園の遊具にウェブカメラや計測器を設置。そんな高そうな機械、小学生が買えるのか?
夜になって現れた八尺様に最初は怖がった雪村だったが、すぐに歓喜に変わり、「ギネスは申請したのか?」「脳の異常じゃないのか?」と興味を持つ。
当の八尺様も身長や長い足のギネス記録更新にまんざらでも無く、更には声を生かして芸能界入りし、女優やモデルをこなして一躍有名人なった。怪異を世界的な有名人にするほどの小学生とは…
本人によると、「身長がコンプレックスで、化け物扱いされていたが、少年が偏見を持たずに接してくれたおかげで自信が持てた」とのこと。
オチは「守ろう。多様性」と書かれた。