概要
食屍鬼街(オウガーストリート)にて真実を知ったジョナサンはディオが父・ジョースター卿の毒殺を企んでいた事を公にし、警察に突き出そうとしたが、ディオは思っていた様な反撃はせず「自首する」と言い始めた為、ジョナサンは拍子抜けしてしまった。
しかし、ディオは不意を突いてジョナサンを殺そうと隙を窺っていた。
その時に同行してきたスピードワゴン が彼の真意を見抜いて告げた。
全文
「おれぁ 生まれついてからずっと暗黒街で生き いろんな悪党を見て来た
だから悪い人間といい人間の区別は「におい」で分かる!
こんな悪(ワル)には出会ったことがねえほどなァーーッ
環境で悪人になっただと?
ちがうねッ!!
こいつは生まれついての悪だッ!
ジョースターさん 早えとこ警察に渡しちまいな!」
「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーッ!!」はスピードワゴンを代表する名台詞となっている。
”生まれついて”の悪
現実世界にも悪人は多くいるが、多くの悪人には悪人になってしまった理由がある筈である。
ジョースター家に引き取られるまで、ダリオ・ブランドーの許で恵まれない生活を送ってきたディオ。環境が全く影響していない訳は無いが、改心する機会はいくらでもあったはずである。
ましてスラムの最貧民からジョースター家などという貴族に引き取られ、法律家というエリート街道に乗ったなど、そのまま行けばジョースター家の遺産なぞどうでも良いほどの大成功であり、100人中100人が羨むサクセスストーリーである。加えて言うならディオを引き取ったジョースター家一族はディオと青春を共にしてきた初代ジョジョにして当時のジョースター家の長男であったジョナサン・ジョースターも含めて根っからの人格者揃いで、少年期から青年期に至るまでの長い年月をかけてディオにも真っ当な愛情を注いでくれていたため、それこそ改心するいい機会だったのである。
だが、そうしないで他人を自分の利益の為だけに利用し、「自分は『純粋な悪』」だと自覚までする様な性格は、正に生まれついての悪と言うに相応しいのかもしれない。
また、スピードワゴン達の住む食屍鬼街にも、金の為なら何でもするワル等は多く居そうだが、住人達と比較してもディオはスピードワゴンにとって群を抜いて悪だったのだろう。