概要
もっぱら絵を描くために製造される紙の総称。安価なものから効果なものまで様々な画用紙が存在する。
安価なものはいわゆる落書き帳のようなもので、紙面が弱く耐水性が低いため鉛筆画や水彩などには不適であり、もっぱらクレヨンなどで落描きをする用途に適する。
定形にカットされているカット紙と、長巻状態のものを切り売りするロール紙がある。
スケッチブックは、画用紙を本の形に綴じたものである。またイラストボードは画用紙を板に貼ったものである。
様々な画用紙
水彩画用の紙で、水に強い。版画用紙としても使用される。普通はコットン質であるが、低価格なものにはパルプやリネンが混入されているものもある。目の細かいものは鉛筆画やパステル画などにも使える。
鉛筆画、ペン画、製図、版下、漫画原稿などに使われる万能性の高い硬い紙。通常はパルプ質。
水彩にも使用出来るが含水性が悪いため乾くのを待ちながら描くことになる。
木炭画向けのざらつきのある紙面を持つ。鉛筆画に使われることもある。
パステル画専用紙だが、木炭紙に似ており木炭画にも使用出来る。
鉛筆画用。比較的安価であり、鉛筆スケッチによく使われる。水彩には不適。
トレスに使われる薄く半透明の紙。鉛筆及びペン画専用。
水墨画専用紙。にじみ表現を行うため、わざとにじみやすく作られている。和紙がほとんどである。
それぞれブランド、紙質、紙厚などのバリエーションが無数にある。
サイズ規格
用紙も参照
カット紙のサイズ規格は大変複雑でわかりにくい。
用紙のタイプやブランド、製造国などによりA・B規格、洋紙規格、キャンバス規格などが入り乱れており、しかも製造国により規格そのものに違いがあるためである。
おもにケント紙、スケッチブック、クロッキーペーパー、トレーシングペーパーはA・B判規格でカットされる。A・B判規格は日本のJISおよび国際ISO規格があり、両者は異なるサイズであるため輸入紙を購入するときはよく確認しなくてはならない。
木炭紙、パステル紙などは木炭紙判(500mm x 650mm)、大判(650mm x 1000mm)または写真用印画紙等と同様な洋紙規格(全紙を基準とするもの、半切や四ツ切など)が多い。全紙のサイズは一応決まっているものの、実際にはメーカー各社が独自に変えていることが多いため確認が必要である。
水彩用紙や水墨画用紙は用紙規格かキャンバスサイズが使われることが多い。
キャンバスサイズとは本来キャンバスのサイズ規格であり、用途と号数でサイズを決めるものである。号数は紙の長辺の長さに対応しており、用途により縦横比が変わる(ただしその縦横比は同じ用途でも一定ではない)。用途種別はフランス語由来の記号が使われ、S(Square,スクアーレ=正方形)、F(Figure,フィギューレ=人像用)・P(Paysage,ペイサージュ=風景用)、M(Marine,マリーネ=海景用)の4種がある。S・F・P・Mの順番に縦横比が大きくなっていく。
しかもこの規格は国際規格・フランス規格・日本規格でサイズが異なる。
日本では、一般的には日本規格のF系サイズが使われる事が多い。輸入紙も日本向けは日本サイズでカットされていることが多いが、確認は必須。
紙厚
画用紙の紙厚は一般に1平方メートル当たりの重さで表される(180g/m2など)。これを坪量という。
ただし、これは紙の密度を無視しているため、異種の紙の厚さを絶対的に比較できるものではない。
例えば、水彩紙のラフ紙(荒目)はプレスがかかっておらず密度が低いため、同じ坪量でも厚い。ケント紙は強力にプレスをかけているため密度が高く、同じ坪量でも薄い。