注意:白色彗星ではありません。
概要
太陽質量の3倍以下程度の恒星が赤色巨星に進化した後、表層のガスが散って残された中心核の姿。主に水素核融合反応の結果生じたヘリウムや炭素、酸素などで構成される。
中性子星ほどではないが非常に強く圧縮されており、地球程度の容積に太陽の質量が詰め込まれていると例えられる。ちなみに地球半径は太陽半径の100分の1以下、体積は100万分の1以下である
例として、地球から最も近い白色矮星であるシリウスBの平均密度は5×10の4乗g/1立方cm、水のおよそ13万倍、鉄のおよそ16,000倍にまで達するとされる。
温度は高いがあまりにも小さいため光度は小さい。すでに核融合反応は発生しておらず、時間の経過とともに冷えて暗くなっていくだけの存在である。
ただ、冷却が進んで観測が不能になる黒色矮星に変化するまでにはかなりの長い年月がかかるとされていて、長いものだと数兆年ほどかかるとされている。黒色矮星までいかなくても本質的に暗く目立たない天体であるため既知の白色矮星は大半が太陽に近い距離にある。恒星が一生を終えた姿はほかにも中性子星やブラックホールがありこれらの高密度の天体はコンパクト星と総称される。中性子星やブラックホールになるほど質量の大きい恒星は銀河系を構成する恒星のごく一部に限られ((恒星は質量が小さいものほど高頻度で誕生するため))、白色矮星は最もありふれた「一生を終えた恒星の姿」である(太陽も一生を終えた後に白色矮星になると予測されている)。太陽系周辺では恒星10に対して白色矮星1ぐらいの割合で存在しているとされる
恒星が赤色巨星となり白色矮星となる過程は恒星の周りに存在する惑星系にとってまさに激動の時代だが、白色矮星の周りに惑星系が残存している証拠は多く観測されている。
太陽のような単独星が白色矮星になった場合、前述のように冷却して黒色矮星に変化していく以外にほとんどイベントはおこらないが、連星系に含まれる白色矮星は伴星からの物質の流入などで著しい活動性を示すことがある。特に伴星から大量の物質が流れ込んで白色矮星の質量がチャンドラセカール限界といわれる一定の限界質量を超えた場合、白色矮星内部で核融合反応が暴走して白色矮星全体が大爆発を起こすことになる、これは「Ia型」超新星爆発と呼ばれる。超新星爆発にはほかにも大質量恒星が一生を終えるときに起こす「II型」と呼ばれるタイプの超新星もあるが、それとは発生原理が異なる(こんなややこしいことになったのは、発生原理が解明されていない時代に、爆発規模や光度変化が似ているため同じ超新星というカテゴリーに入れられたため)連星系の白色矮星では、超新星爆発の他にも表層や周辺に存在する物質が起こすより小規模な爆発や、伴星が赤色巨星化した際に白色矮星が伴星の内部に完全に飲み込まれながら生き残る共生連星となったりするなど色々な出来事が起こりうるのでその研究は天文学における一つの大きな研究領域となっている