石田光司
いしだこうじ
『賭博黙示録カイジ』の登場人物。
多額の負債を抱えている気弱でお人好しな男性。
典型的な騙されやすいタイプである。一癖も二癖もある曲者揃いの『カイジ』シリーズ中では、一二を争う善人である。
借金を返すためエスポワールに参加したのだが、限定ジャンケンのルールを熟知したリピーターの男に騙されて別室送りになってしまった。だが、同じようにカイジが古畑たちに見捨てられると、本気で心配し、同情した。そのこともあって、謀略まみれの限定ジャンケンに疲れ果てたカイジは、半ば自棄になっていた事もあって、余った星で石田を助けることになる。
限定ジャンケン後、カイジと同じく借金の返済の当てがなかった石田は、スターサイドホテルで行われた鉄骨渡りに参加。カイジに再会するとニコニコと笑いかけるなど、お人好しな性格は全く変わっておらず、カイジは苛立ちから「アンタも敵だ」と釘を刺す。
一回戦目は漁夫の利を得る形で賞金を得る権利(チケット)を獲得するが、次の挑戦では、ほかの参加者と同様、最初の転落者である太田の脱落を機に恐慌を来たす。
完全に足がすくんで動けなくなってしまい、最終的に自分も渡り切ることはできないと悟り、自分の代わりに賞金で借金を返済してほしいと、自身が得たチケットをカイジに託した。その時、カイジに頼んだのは、自分のせいで借金を背負った妻のことであり、こんな時でも他人のことを案じられる石田の性格は、カイジに強い印象を与えた。だが、最後はやはり鉄骨から落ちてしまう。その時も、同じ鉄骨を渡るカイジが自分の転落を見て動揺しない様、悲鳴を押し殺していた(そのため、後ろを向いていたカイジは、石田が落ちた瞬間を見ていない)。
石田のこの最期は、カイジに石田の存在を強く印象付け、その後のカイジに強い影響を与えることになる。シリーズが進んでも、時折、カイジは石田のことを思い出すことがある。『賭博堕天録カイジ 和也編』では、「追い詰められた人間は最後に裏切る」と言い切る兵藤和也に対し、カイジは石田の事を思い浮かべ、和也の人間観を完全否定する。
シリーズ第一期にて死亡した彼ではあるが、後のシリーズでも息子(ちなみに実写映画では娘)の広光の回想などで姿を見ることができる。
Pixivでは石田さんタグが使われる事が多いようだ。