CV:米澤円
人物
神浜コウジの母親で、人気ブランド『Dear Crown』のゼネラルマネージャーを務める。
夫の神浜丈幸は、人気ロックバンド『Lucky★Star』の元・リードボーカル兼ギター担当で、当時は「ジョー」の愛称で呼ばれており、パートナーである涼野弦と共に音楽界におけるカリスマ的存在であった。この為、弦や彼の妻である涼野鶴とも旧知の間柄で、彼等からは「なっちゃん」の愛称で呼ばれていた。
しかし、自身との結婚を機に丈幸はバンド活動を引退。その後、交通事故によって他界する事になっている。
仕事上では真面目な性格をしている所謂「典型的なキャリアウーマン」で、プロデューサーを務めるプリズムスターの天羽ジュネが氷室聖を一人の男性として愛している事実を見抜き心配する等、他者への思いやりを覗かせる事もある。
しかし、公的には温厚で真っ当な人物で、プロデューサーとしての手腕も敏腕に見える一方、実は私生活面に関しては強烈なまでに支配的な面を持ち合わせており、自分の都合や価値観を夫の丈幸や息子のコウジに押し付け、少しでも癇に障るとヒステリックを起こす我儘で独善的な傾向から、彼等との関係に大きな亀裂が生じていた。
その結果、半ば家族関係が破綻してしまった状態のまま、夫の丈幸とは死に別れてしまう事になっており、コウジとの親子関係も良好とは言い難くなっている。
夫との結婚と死別までの経緯
作中での様子からも、夫の丈幸との馴れ初めは、学生時代からのごく普通の恋愛結婚であった様だが、彼の奏でる「音楽」の事は愛していなかった。
その結果、丈幸との結婚が決まった際には、『Lucky★Star』を解散させるだけでなく、音楽の演奏も一切しない事を強要。それでも自身を愛していた丈幸は、言われるまま『Lucky★Star』の活動を止めてしまい、専業主夫として生まれた息子のコウジの育児に専念していく事になる。
この点に関して、奈津子は「良きパパであるを望んでいた」と語っているが、丈幸に専業主婦として家事全般やコウジの面倒を押し付けていたのに対し、自身の方はやりたい職業に専念してコウジに関して半ば育児放棄に近い状態だった点からも、実際の所は「ただ自分がやりたい事だけをしたかっただけではないか」と思わせる部分もあった。
しかし、家族であるはずの夫の価値観を何一つ認めようとしない歪な家庭環境で、まともな家族関係が築けるはずもなく、家族関係には綻びが生じていく事になり、自身の命令で唯一のアイデンティティであり生き甲斐あった「音楽」を奏でる事を許されなくなった丈幸は、次第に笑顔を見せなくなってしまう。
困った事に、丈幸が陰りを見せていく様になった原因について、実は当の奈津子は自覚していたのだが、音楽そのものを「自分から丈幸を奪って良く存在」として忌々しく思ってさえいた彼女は、それでも彼が音楽を奏でようとするのを許そうとしなかった。
その結果、遂に自らの丈幸に対する行いは、「最悪な形」で悲劇を招いてしまう。
『Lucky★Star』の解散後もバンド活動を続けようとしていた弦は、誰と組んでも波長が合わず諍いを起こしてしまう事になり、丈幸の存在が無ければやっていけない事を痛感した彼から『Lucky★Star』の再結成を持ち掛けられた丈幸もまた、再びギターを手にバンド活動する事を切望していた。だが…
奈津子「家族とLucky★Star、どっちが大事なの!」
家族の事と称しながらも自分の事しか考えていなかった奈津子は、妻である自身や息子のコウジを盾に『Lucky★Star』再結成の反対と共に痛罵。それを受けた丈幸は『Lucky★Star』の再結成を諦めざるを得ず、弦が車を走らせる中で彼と言い合いになってしまうが、そんな中で減の運転していた車は反対車線のトラックに激突。それによって丈幸は帰らぬ人となってしまうのだった。
この丈幸が死亡した事故に関して、弦が『Lucky★Star』の再結成の話題でよそ見運転していた事にも非があったのは確かだが、実は対向車線側のトラックも車線をはみ出した危険運転を行っていた。それに対し、助手席にいた丈幸が弦を助けようと無理矢理ハンドルを左に切った結果、助手席側はガードレールに激突し、丈幸の死に至った事が、『Lucky★Star』のプロデューサーであった北川によって明かされている。
つまり、この事故の責任は、事故に遭った車を運転していた弦だけでなく、対向車線側のトラックの運転手や、強引にハンドルを切ってしまった丈幸にも少なからず責任があったのだが、自分が『Lucky★Star』の再結成を持ち掛けた事で丈幸を死なせてしまったと感じていた弦は全ての責任を一人で追う事を決意。その結果、奈津子は何も真実を知らないまま、丈幸を死なせた元凶として弦を憎む様になってしまい、涼野家にも暗い影を落とし、弦と鶴は別居状態となってしまう事になった。
更に言えば、この悲劇は、奈津子の個人的な我儘によって『Lucky★Star』を無理矢理解散させてしまった事が発端と言える為、彼女にもまた、少なからず責任があったと言えるかもしれない。
関連タグ
神崎そなた…自らのやりたい事に専念するあまり、家族を省みなくなってしまった点がかなり似ている。
毒親…コウジの音楽への情熱を認めないヒステリックな態度からも、こう言わざるを得ない部分があった。