概要
中国語ではホォトウ(Huodou)と呼ぶ。
古代中国の地理書『山海経』の「海外南経」によると、南方海上にある厭火国に棲んでいる黒い獣であるという。
これはこの獣の食性によるもので、炎もしくは犬の糞を食べ、便の代わりに炎を排泄しさらに炎を吹き出す恐ろしい獣であるとされる。そのため、食事をしないときにはこの地にいるのである。
その姿は黒い犬そのものであるが、不思議な光沢があり尾が二股に割れているともいわれる。
妊娠1ヶ月の母犬に流星の欠片が当たると生まれるとされ、火を扱うことに長けるため火神に仕え、主が職を辞したときにはその立場を引き継ぐこともあるとされる。
また雷神が雷車に乗って大地を駆けるときにも付き従うとされる。雷斧を振るって落雷が起こり、火事になるとその炎を喰らうという。
なお一説によると、この名はもともと南方の異民族・厭火人の別名であり、それを妖怪として表現したものが後代に怪物として定着してしまったものであると言われている。
創作での扱い
発火能力者人皮挟美の肉体に憑依している「薔薇渓谷家参式」と呼ばれる擬似魂魄。
上級クエストの掉尾を飾るクエスト・「山紫水明の地」にて中国妖怪たちが隠れ住む隠れ里のリーダーとして登場、中級クエストの一つ「惨劇の屋敷」におけるキーパーソン・「猫又の寧子(やすこ)」を匿い、主人公及び退魔巫女一党に戦いを挑むも、主人公一党が寧子に害意を持っていない事を悟り和解する。