福敬登
ふくひろと
1992年6月16日生まれ、兵庫県神戸市垂水区出身。左投げ左打ち。
小学校・中学校は軟式野球をプレーしていた。神戸市立神戸西高校で硬式野球に転向、県大会4回戦が最高成績。
高校卒業後にJR九州に入社、小倉駅の駅員を務めながら野球部に在籍。公式戦で登板機会を与えられ、5年目の2015年には速球が最速150km/hを計測。
2015年のNPBドラフト会議にて、中日ドラゴンズから4巡目で指名。現役を退いたばかりの山本昌から背番号34を継承することで注目される。
2016年、ルーキーで唯一開幕から一軍登録され、2試合目に中継ぎとして初登板。
5月7日の対読売ジャイアンツ戦では緊急降板したドリュー・ネイラーの後を投げ、4回2/3を1失点で初勝利。
2017年、左肩を痛めた影響で、一軍公式戦では5試合の登板に終わり、左肩の治療に専念させるため育成契約に変更、背番号も234へ変更となったが支配下登録選手へ復帰するまで34番は空き番とした。
2018年、6月に実践復帰、7月19日に支配下登録選手へ復帰。制球が定まらず1試合のみでシーズンを終えた。そのため沖縄の秋季キャンプのメンバーに選ばれるまで戦力外通告を覚悟していた。
2019年、3月に結婚。3月のオープン戦で結果を残せず、二軍で開幕、5月に一軍登録される。
同年6月20日のセ・パ交流戦、対埼玉西武ライオンズ戦で打線を完全に抑え込んだことが自信となり、シーズン終盤にはセットアッパーを任されるようになった。
(52試合登板、18ホールド、防御率2.05)
2020年、『7回は祖父江大輔、8回は福、9回はライデル・マルティネス』という救援陣による勝ちパターンが確立。53試合に登板して、5勝5敗25ホールド2セーブ、防御率3.55の成績をマーク、チームメイトの祖父江、東京ヤクルトスワローズの清水昇と共に、自身初となる最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。
2022年9月、試合中に左足の不調を感じ降板。その後立浪監督に症状を説明したところいったん出場選手登録抹消となり、10月に難病の黄色靭帯骨化症の手術を受けている。
2023年4月に二軍で復活登板を果たし、まもなく一軍復帰した。
愛称は「シャバーニ」。名古屋市の東山動植物園で飼育展示されているオスのゴリラの名前に由来する。また、ひげを伸ばすようになってからは令和ロマンの松井ケムリに似ていると言われるようになり、本人も「似てると言われるなら、僕がもうそっちに寄せます」とコメントしている。
入団当初からtwitterなどSNSでの発信を積極的に行っていたが、2021年11月の契約更改に伴う会見にて「打たれた試合になるとおびただしい数の殺害予告がきたりする。家族の身の危険を感じるような文言を直接的に送ってくる方もいる。」と、殺害予告・中傷の被害を受けていることを公表した。
「応援しているチームが負けて感情的になるのはわかる」と一定の理解を示したうえで、自分以外の選手も含めたチーム全体が被害に遭っていることに言及し、ファンには「(投稿の通報などで)助けてほしい、とお願いしたい」と発言している。今後はSNSをやらないと明言し、この会見後にアカウントが閉鎖されている(なお、8月にはアカウント乗っ取り被害にも遭っている)。
会見の時点で球団とはすでに話し合っており、野球協会所属の弁護士にも相談済みとのこと。
また、会見後に殺害予告を含む誹謗中傷について、警察に被害届を提出している。
立浪監督も事態を重く見ており、自分にもSNS上での中傷が寄せられていると示唆したうえで「そういうこと(中傷)をしている人は幸せになれない」と苦言を呈している。
2022年3月に、Twitterにて福に対する中傷を投稿していた人物が侮辱罪で書類送検されている(直接DMやリプライを送ったわけではなかったが、投稿内容とその頻度が問題視されたとのこと)。
福の代理人によれば、この人物は書類送検の前に謝罪の手紙を送っており、福の方も一度は謝罪を受け入れて水に流そうかという話も出たが、その後も他選手への暴言・中傷を繰り返していたため示談が見送られたという。
本件は最終的には和解という形で不起訴に終わったものの、福本人は(別の人物による)チームや選手に対するSNSでの誹謗中傷が続いていることを折に触れて言及している。