概要
民俗神、産土神の一柱。
箒に神性を与えた存在で、掃除をする行為である「掃き出す」という行為が出産と結びつけられたた為といわれているほか、「掃く」の古名である「ははき」が「母木」に通じるところから来ているのではないかともいわれている。また、一説には箒の形が神の宿る依代に似ている為に信仰対象になったのではないかという説もあるらしい。
また箒のものを払ったり、かき集めるという機能から「はらい」や「集める」といった力があると考えられた事から、魂を「掃き集める」ことや邪気を「祓う」ことなどと結びつける民間信仰がみられるようになったのではないかといわれている。
その為、産気づいた妊婦の腹を箒で撫でたり、枕元に箒を置いて安産を祈願する。箒を跨いだり踏みつけるといった行為を忌み、もしそのタブーを破れば「罰が当たる」と考える風習が各地に伝わっており、長い間居座る客を帰す為に箒を逆さに立てる呪いが伝わっている所もあるという。
ちなみに鳥山石燕著の妖怪画集『百器徒然袋』には付喪神の一種として紹介されている。