概要
『薬屋のひとりごと』に登場する高級妓楼。格式の高さから遊女よりも芸を売る芸妓が多い。
容姿だけでなく歌舞音曲や詩歌、囲碁・将棋に秀でた白鈴、梅梅、女華をはじめとする指折りの妓女を多く抱え、高額の代価を請求されることとなる。
それゆえ高級妓楼が多い華央州の妓楼のなかでも最上級の格式と人気を誇るため、金銭的に余裕がない一度きりの一見(いちげん)客は基本的にやりて婆に入館を断られ、名の知られた豪商や高級官僚が常連客となっているようである。
妓楼の中には羅門と猫猫の薬屋が入っており、彼らによって「鉛の毒」が原因となる「おしろい」の使用も禁止されているが、病状が悪化した妓女は羅門か猫猫のいずれかが診ている。
また、妓楼の奥まったところにとある高級官吏の相手をしたかつての人気妓女が明日をも知れぬ重病で隔離されているが、だれも近寄ろうとしないため梅梅と薬師の猫猫が看病にあたっている。
里帰りのため李白を利用した猫猫に、緑青館のやりて婆は、彼女に借金を背負わせることで李白を糸口にして武官や官吏のなかから新たな顧客を手に入れることをもくろんだ。
その甲斐あって李白は知りあいの若手の武官や官吏を緑青館に紹介、そのなかには猫猫を解雇して落ちこんだ壬氏も含まれており、妓女のアルバイト(お酌)をしていた猫猫が壬氏の邸宅に出仕するきっかけとなった。
ちなみに猫猫はやりて婆を除く妓女や禿といった面々に溺愛されており、不愛想な彼女に友人ができただけでお祭り騒ぎになった。
また、妓楼であるため花街のまわりはスラム街と化して治安が悪く、妓女のなかには「おしろい」の原料に使われた「鉛の毒」により体調が悪化したものや、性病にかかって命を縮めたものが多く、それらの妓女はスラム街に多く暮らしているようである。