羽ペン
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はねぺん
大型の水鳥の抜けた羽根をペンとして利用するもの。
ガチョウ・アヒルなど大型の水鳥の抜けた羽根をつけペンとして利用するもの。ヨーロッパでは5世紀から19世紀中頃まで主要な筆記具として利用されていた。
英語の「pen」はラテン語の「penna」に由来するが、「penna」の意味は「羽根」である。ちなみに現代イタリア語の「penna」には「羽根」と「ペン」の両方の意味がある。
良質の羽根を得るには生きた鳥の風切り羽根を抜き取る必要があり、さらに左の翼から取った羽根は羽根軸のカーブが右利きの書き手に使いやすいので好まれた。そのほかにも、換羽期や屠畜の際に不要になる羽根のリサイクル品という面も持ち合わせていたとされる。
古来より獣毛の束を筆として使ってきたアジア圏ではお洒落でエキゾチックな器物に見えるらしく、洋風のしつらいのイラストにはしばしば羽ペンが登場するが、筆に比べると持ち手が極端に細く短く、またインクを溜める部分がないため筆記の際には都度ペン先をインクに浸し直す必要があり、さらには時々ペン先をナイフで削って整形し直さなければいけないなど頻繁なメンテナンスが必須……と使い勝手はあまり良くなかった模様。その後は耐久性に優る金属製のペン先が普及したため、18世紀頃を境に徐々に廃れていった。
羽ペンは歴史的なもので現代ではほとんど使われていない上に、東アジアではまず使用されることがない。
このため、pixivで「羽ペン」タグがついている作品は、「羽ペンを使って描いた」作品ではなく「羽ペンが登場する作品」「羽ペンで何かを書いているシーンを描いた作品」がほとんどである。
他のペン関連タグが付いている作品群で、「そのペンを使って描いた作品」が多数を占めているのとは対照的である。
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