概要
動物の鳴き声、主に鳥の囀りを人の言葉や文字に当てはめたもの。聞き倣し。
「聞きなし」という言葉は近代以降に使われ始めたものだが、「鳴き声を人の言葉に置き換える」ということ自体は古くから世界中で行われてきた。
特に深い意味があるわけではなく、昔の人たちが「なんかこの声、こういう風に聞こえね?」というその場のノリやこじつけで作ったものが多い。そのため同じ鳴き声でも国や地域によって違う聞きなしになることがある。
代表的な聞きなし
ウグイス
「法、法華経」
この聞きなしが由来となり、ジュウイチ、ブッポウソウとともに日本三大霊鳥に認定。
カッコウ
「カッコウ」
聞きなしがそのまま名前になった例。
ちなみにこの鳥の鳴き声がそのまま名前になるのはほぼ世界共通のようで、カッコウを英語では「Cuckoo(クックー)」、フランス語では「Coucou(ククー)」、ドイツ語では「Kuckuck(クックック)」、スペイン語では「Cuco(クコー)」、オランダ語では「Koekoek(クークック)」という。
ホトトギス
「特許許可局」、「テッペンカケタカ」、「ホトトギス」など
聞きなしが和名の由来とする説もある。
コジュケイ
「ちょっと来い」、「people play」
「ペチャパイ」という聞きなしもあるらしい。
ツバメ
「土食って、虫食って、口渋ーい」
有名な聞きなし。実際に聞くとかなりのこじつけ。早口で唱えればそれっぽくなるという見解がある。
ホオジロ
「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそろ)」、「源平つつじ白つつじ」、「札幌ラーメン味噌ラーメン」など
長い事で
センダイムシクイ
「焼酎一杯グイー」、「鶴千代君(つるちよぎみ)」など
和名の由来に、囀りの「チヨチヨ」の部分を「千代千代」と聞きなして音読みした説や、別の聞きなしの「鶴千代君」が歌舞伎の演目、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の登場人物であり、それにちなんだ説などがある。
コノハズク
「仏法僧」
昔の人はこの声をまったく別の鳥「ブッポウソウ」のものと勘違いしてしまい、本来は「ゲッゲッ」と鳴くブッポウソウにこの和名が付けられてしまった。これが間違いと判明したのは昭和初期で、1000年以上もの間、声と姿が一致していなかったのである。
現在はコノハズクに「声のブッポウソウ」、ブッポウソウに「姿のブッポウソウ」という別名がある。
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