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センシティブな作品

概要

1943年12月25日に公開された、トムとジェリーの短編映画の一つ。

アカデミー短編アニメ賞を受賞した「勝利は我に」(1943年6月26日に初公開)の公開から半年経った後に初公開された。

前作の「勝利は我に」は戦時中だったということもあって、戦時色が強い話になっていたが、その次に公開された作品は、一言で例えるなら、トムが赤ちゃんごっこに付き合わされる話になっている。

内容

物語は飼い主の娘の赤ちゃんごっこに付き合わされ、かなりウンザリしているトムの場面から始まる。

オムツとを付けられ無理やりベビーベッドで寝かされたトムはウンザリするが、哺乳瓶に好物のミルクが入っていたので上機嫌になった。そんな中、ふざけ半分に喃語を飛ばしながらミルクを飲み干していたトムを発見したジェリーは、面白がって、子守唄用のレコードを流し赤ちゃんのマネをしてトムを冷やかした。

その後、トムとジェリーは追いかけっこを開始。ドールハウスの中に入ったジェリーは入浴のフリをして誤魔化していたり、人形の服を使って変装して誤魔化そうとするが、どちらも失敗してトムに見つかってしまう。しかし、ジェリーを追い詰めようとしたトムは娘に見つかってしまい、再びベビーベッドに戻されてしまう。

その後、娘に「今度起きたらひまし油を飲ませる」ということを言われたトム。一方、ジェリーは、(この話で初登場になった)ブッチとトプシー、そして、かつて「悪魔のささやき」(1943年1月16日公開)でトムと一緒にジェリーの奪い合いをしていたフランキーにトムが赤ちゃんごっこをしている姿を見せる。野良猫3人組は赤ちゃんのまねをして冷やかし、トムはカンカンに怒るが、エスカレートしていくいたずら紛いの子守ごっこ(ミルクを勝手に横取りする、金魚鉢に放り投げオムツをびしょ濡れなど)によって、トムは振り回されてしまう。オムツがびしょ濡れになった際には、ブッチ達にオムツ交換の「手術」をされることになってしまい、さらに、オムツの中に金魚を入れられてしまう。その後、ブッチ達はからかいの歌を歌い、トムを振り回すが、帰ってきた娘に見つかってしまう。

トムをからかっていたブッチ達はトムを残して即座に退散。トムは娘に一方的に「おとなしくしない悪い子」と責め立てられてしまい、ひまし油を飲まされることになる。ジェリーはトムの尻尾をくるみ割り機で挟んで、(トムの悲鳴と共に)口を無理やり開けさせ、油を飲ませた。ひまし油の苦さによって、トムはひまし油を吐き出そうとする。それを見たジェリーは大笑いするも、その瞬間にひまし油を口いっぱいに受けてしまい、ジェリーも仲良くひまし油を吐き出す場面で物語は終了する。

余談

前述したように、この話はブッチとトプシーが初登場した話でもある。また、本作では、初めてお手伝いさん以外の人間のキャラが登場した話でもある(なお、この話ではお手伝いさんは登場していない)。

後半部分でブッチがトムをからかう際に歌った曲は「Mamãe eu quero(I want my mamma)」。なお、実際にその曲の部分を耐久動画にした動画も存在している。

現在DVD版で収録されているのは再公開版であり、初公開版とはオープニングのレオ・ザ・ライオンやタイトルカードがかなり異なる。特にこの話の初公開版から使われたタイトルカードは、1946年までに初公開されたトムとジェリーの話で使われたタイトルカードであるが、(MGMのフィルムの保管庫が火災にあったときに初公開版のフィルムがなくなってしまったという理由などもあって)現在はDVD版では見ることが不可能であり、とても貴重なタイトルカードになっている(以下の動画はその初公開版のオープニングを再現した動画である)。

ちなみに、『とむとじぇりー』(現在は『とむとじぇりーごっこ』)第7話『ドールハウス』では、この話を意識したネタとして、とむがドールハウスの中を見る展開やじぇりーがたふぃーと一緒に変装して誤魔化そうとする展開が登場した。

なお、こちらでは、前者はとむが見ていたのはぬいぐるみと遊んでいるたふぃーであり、後者はとむがたふぃーの変装を脱がした(原作であるこの話の場合はジェリーの服が脱げてしまった)ことによってバレてしまっている。また、娘に見つかってしまったこの話とは違い、あちらではとむがドールハウスに入り、じぇりーとたふぃーを追い詰めようとしたが、ドールハウスと合体してしまった。

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