ナポリよいとこ
なぽりよいとこ
1954年10月2日に公開された「トムとジェリー」の短編映画。
トムとジェリーシリーズでも極めて珍しい、実在する都市が舞台としている作品である。
また、この話では、唯一トーポ(メイン画像がそのキャラ)が登場した話である。
イタリアのナポリに観光に来ていたトムとジェリー。とある出来事がきっかけでトムとジェリーはナポリでドタバタを始めるが、トムがジェリーをフライパンで追い詰めていた時、ナポリの住人であるネズミであるトーポが現れ、トムはトーポに成敗される。その後、トムをいじめていた青い犬も成敗した。彼は弱い者いじめを許さない、正義感の強いネズミだった。
その後、トーポが、あの有名な「トムとジェリー」だということに気付き、トムとジェリーをもてなして、ナポリの街を案内していた。ところが、そんな彼らに対して、トーポに成敗された青い犬が、別の二匹の犬も引き連れてストーキングしていた。三匹の犬に気付いたトムとジェリーとトーポは、急いで店にある、円形の巨大なチーズを転がし、三匹の犬を海に落として成敗する。
すると、船の汽笛が鳴り響いた。トムとジェリーは、観光案内をしてくれたトーポに手を振りつつ、ナポリに別れを告げアメリカへと帰っていった。そして、トーポと、実は根は陽気だった三匹の犬は、トムとジェリーに手を振って、こう言った。
「Arrivederci!(また会おうな!)」
トムとジェリーシリーズの作品の性質上、大抵はドタバタの結果、トムが敗北する話が数多く存在している(但し、ジェリーが敗北する話もあるし、追いかけっこを一度もしていない話もある)が、この話は序盤こそドタバタによる追いかけっこが存在しているが、中盤でトーポと一緒に仲良くなった後は、トーポと一緒にナポリ観光をしたり、一緒に三匹の犬を成敗したりと、トムとジェリーが仲良しな場面が多い。また、ラストシーンの展開もあり、トムとジェリーの話の中ではハッピーエンドを迎えている話でもある(なお、この話の他にも、「メリー・クリスマス」や『とむとじぇりーごっこ』(旧:「とむとじぇりー」)第5話「ねむれぬ夜」や第12話「トラベル」などのように、トムとジェリーが仲良しの状態でハッピーエンドを迎える話が少なからず存在している)。
トーポやラストシーンの三匹の犬の反応から見ると、この作品でのナポリは、何故か現実世界同様、彼らが漫画スター扱いされているようだ。
なお、「とむとじぇりーごっご」(旧:「とむとじぇりー」)第12話「トラベル」は、本作と同じように、旅行中にとむがじぇりーに何かしらの反撃を与えられ、その後に旅行しながら追いかけっこをするという、本作と似たような展開がある。また、とむとじぇりーとたふぃーが様々な名所に行くという展開など、本作を意識している場面がある。
但し、あちらでは、本作で登場したトーポや三匹の犬は未登場していない代わりに、本作には登場していないたふぃーが登場している。また、本作とは違い、あちらの舞台は恐らく日本と思われる。
この話で登場したトーポは、後に「トムとジェリーチェイスチェイス」で再登場した。
また、円形の巨大なチーズは、後に「とむとじぇりーごっこ」(旧:「とむとじぇりー」)第8話「チーズデー」で再登場。あちらではじぇりーが蹴り飛ばし、じぇりーとたふぃーを追いかけていたとむを成敗した。