概要
『トムとジェリー』のエピソードの一つ。1957年4月20日に公開された。
あらすじ
ある日、いつものようにジェリーと追いかけっこをしていたトム。すると、トムの元へ手紙が届いた。差出人はトムの親戚のジョージ。ジョージからの手紙を読んだトムは、早速ジェリーの巣穴を塞いだ。手紙の内容を読んで、ジョージは「ネズミ恐怖症」であることを知ったのだ。
そして、トム&ジェリーが住む家にジョージがやってきた。ネズミを見もしないうちに怖がってしまうジョージを見たトムは、ネズミのおもちゃを使ってジョージをからかう。
だが、その間にジョージが来たことを知らないジェリーが塞がれた穴から脱出してしまった。いつも通りお菓子をつまみ食いしようとしたジョージだが、その際にジェリーと遭遇してしまう。思わず身を伏せたジェリーだが、ネズミを見て逃げ惑うジョージを見たジェリーは、いつもと違うトムだと思い込み、ジョージを何度も驚かす(その際に発する言葉「Aboo!」は、英語で「べろべろばぁ!」くらいの意味である)。
そんな中、入れ違いで今度はトムが居間に戻ってきた。ジェリーはトムに対しても驚かそうとするが、今度はトムに反撃されてしまう。
ある時はジョージを驚かし、またある時はトムに反撃され……。
そんな二人を入れ違いに出会うジェリーはパニック状態になり、その様子を知ったトムはある秘策を思いつく。
トムとジョージは、引き続き2人が代わる代わるジェリーの前に姿を現しつつ、さらにトムはジョージのように臆病を演じてジェリーを誘い込み、ジョージはトムの背後で腕をちらつかせるなどしてジェリーを驚かす。
最終的には、気が弱いジョージがトムと合体して2つ首に腕と足が4本の「化け猫」に変身。パニック状態になって逃げるジェリーを追いかけた。
ネズミを物怖じしなくなったジョージの存在には気付くことが出来ないパニック状態のジェリーは、そのまま家から飛び出して、ネズミの病院へ逃げることになった。
余談
本来、トムが勝利する話(例えば「止まらないシャックリ」(原題:Hic-cup Pup)など。ちなみに、その話でトムが勝利した理由についてはスパイクの記事を参照)は、序盤はジェリーが優勢ながら最終的にトムが逆転勝ちするストーリーが多いのだが、本作の場合は最初から最後に至るまでトムが劣勢となる描写が全く存在していない。
また、ソフト版でのジョージの声優は八代駿が担当しているのだが、実はその声優はTBS版でトムを演じた経験があり、ソフト版でトムを演じる肝付兼太と共に新旧のトムの声優が共演するという形になっている。ソフト版限定ではあるが、新旧のトムの声優が共演するということも、まさに伝説のストーリーだと言えるだろう。
ちなみに、『トムとジェリーキッズ』でも、本作と似たような話として「ネズミ恐怖症」(原題:Fraidy Cat)という話が存在している。
こちらでは、トム&ジェリーが住む家に、ネズミ恐怖症であるトムの双子の弟がやってくる話で、双子の弟のデザインがトムとそっくり(『トムとジェリーキッズ』でのトムは赤色の帽子をかぶっているのだが、その帽子の色のみ、トムとは異なる点である)だったり、ネズミ恐怖症である弟がジェリーを見た瞬間に逃げ出し、その後にトムが登場した際に驚かそうとした際にトムがジェリーに反撃する展開があったりするなど、本作を意識したネタが存在している。
しかし、本作とは違い、何度もジェリーを見た瞬間にパニック状態になってしまい、挙句の果てには、本作のジョージとは違って、トムに対しても迷惑をかけることが多かった弟に対して呆れてしまったのか、トムが巨大な「化けネズミ」に変身して、そのまま弟を家から追い出し、その後に、巨大な「化けネズミ」になったトムがジェリーを追いかけるオチになっている(そのため、この話もトムの勝利回になっている)。