概要
気持ちがぼんやりとしている人物に取り憑き、その人の心を乱して殺人鬼に変えてしまうか、自殺へと誘うとされ非常に恐れられた恐ろしい妖怪。
通り者と呼ばれる場合もある。
“通り魔”の語源になったとされる妖怪であり、江戸時代に執筆された『世事百談』や『古今雑談思出草紙』などにその名を見る事ができる。
決まった形を持たないらしく、標的とした人間に憑りつくために見る者によって様々な姿を取り、一説には奇怪な白髪の老人の姿だったり、無数の甲冑姿の者たちだったりなどとその姿は一定していない。
通り悪魔を目撃して心を乱すと必ず不慮の災いを伴うので、これに打ち勝つためには心を落ち着けることが肝心だとされている。