概要
小野不由美氏著の小説『十二国記』に登場する才州国国王のことでであり、またはその人物をさす。このことから「采」とは崩御した王に与えられる追号(諡号)というわけではない。
はるか昔、680年にわたる王朝を築いたのは遵帝。
遵帝は慈悲深い名君として知られていたが、隣国の民を救い乱れをただすため王師(国の軍隊)を派遣したことにより、突如宮殿内で苦しみ肉体が崩壊する無惨な死を遂げた。
遵帝の後に即位した新たな王は 玉璽の国氏が「斎」から「采」に変わっているのを見、どのような事情があろうと他国を侵すことは「天の条里」に反する重罪「覿面の罪」であることを知った。
先々代の采王は扶王。在世は60年に及んだが末期になると政治に倦み、奢侈に走った。愛妾・梨燿の再三の諫止を振り切ったあげく彼女を幽閉、税を重くして民を苦しめた。愛想をつかした梨燿は反扶王に動いた砥尚の一党を支援、砥尚が王位に就くべく協力した。
先代采王は砥尚。諡は梧王。采麟が選んだ最初の王。瓢風の王(選定開始から最初の昇山者から選ばれた王)として周囲からの期待は高かったが、理想を追い求めるあまり現実に即した政治を実現できなかった。治世20余年で禅譲し、崩御。
現在の采王は黄姑。采麟が選んだ二人目の王。砥尚の叔母であり、采麟が選んだ二人目の王。治世はおよそ12年。梨耀の下から逃げ込んできた大木鈴を保護し、慶東国に行くことを望んだ彼女を景王・中嶋陽子のもとに送り出す。
その後、慶東国からの要請を受けて戴北国から姿を消した麒麟・泰麒捜索に協力する。