里中花梨
さとなかかりん
「さあさ、何でも作ってやるすけ、遠慮しないでね」
学園生として
青森県からグリモアへ転入してきた、くだけた南部弁を操る酪農家の娘。
学園内にある小さな農園で野菜を育てたり、飼育委員として学園の動物を世話するなど、地元を離れた現在も農家らしい生活を営んでいる。
メインの登場人物内では比較的幼い方ながら精神・肉体の両面ともに非常にタフで、穏やかかつ朗らかな大人物である。
大抵のことに動じない振る舞いに定評があり、多くの生徒の相談役として慕われている。歳上であるはずの西原ゆえ子にすら"姐さん"と呼ばれてしまうほど。
グリモア学園生の中では良識的な方(他が尖りすぎているだけかもしれないが……)で、所属している料理部や飼育委員では個性豊かな部員たちを取りまとめている。
相手が誰だろうと物怖じしない性根とあって、コミュニケーション能力の高さは並の女子学生の比ではない。彼女の顔の広さには生徒会すら一目置いているのだとか。
性格面でのもう一つの大きな特徴に、根っからのお節介気質というのが挙げられる。
他人の衣食住の面倒をいつも気にかけており、得意な料理を筆頭に掃除やら洗濯やらとにかく世話を焼く。どれも彼女が悪意0でやっていることであり、最終的により良い結果をもたらす場合がほとんどだが、転校生ことプレイヤーの自室に勝手に上がり込んで掃除を始める等、世間一般の常識から若干ズレた行動に出ることもある。
その度量や言動、器用さに包容力、ついでに年齢不相応に豊満なスタイルのおかげで、実年齢を勘違いされがちなキャラクターとして作品内外から評価されている。
故郷で培った家事炊事のスキルも相まってか、一部のプレイヤーからは「お母さん」「花梨ママ」などと呼ばれることも。
魔法使いとして
体力はあるものの地の運動神経が悪い。
魔法も特記するほど強くないが、大地属性の魔法とは相性が良く扱いにも長ける。
ゴーレムの召喚、土塁の形成など、攻防共に土砂や瓦礫を豪快に操り戦う。
肝が据わっていて交友関係も広いため、チーム内の調和を保つ役割としてのリーダーの素質がある。その節では学園の面々からも信頼を得ているようで、ヘリオット遠征でのリーダーを任されるなど、一隊を率いる頭の役として活躍する場面も見られる。
戦闘に対する姿勢は「あまり得意ではない」と消極的な方であるが、魔物や敵組織が誰かを傷つけることは良しとせず、自分と同じ境遇にいる人々の努力や苦労を蔑ろにされた時は、怒りを露わにすることもある。
料理人として
七歳の頃からグリモア転入までの期間、実家近くの大衆食堂を‘バイト’として手伝っていたらしく、卓越した料理の技術が身に付いている。その味は口にした人たちの舌を毎度唸らせるほど。本人も料理を唯一のアイデンティティと自負しているようだ。
網羅している料理の範囲は広く、主菜から甘味までなんでもござれ。好んで作るのはカレーや豚汁など、華々しさは無くとも誰でも美味しく食べられる大衆料理が多い。
学園外でも随所で料理を振舞っており、時には戦地で炊き出しを担当することも。
''グリモア''の世界において、魔法は現代科学で説明しきれない「得体の知れないもの」として一部の社会層から嫌煙されている傾向にある。
特に、科学や医療の発達により魔法への学術的な関心が高まっている日本国内では、魔法使いの作ったものはたとえ美味しい料理とて受け容れてもらえないことも多い。
そのような背景があるため、花梨や、同じく料理人を目指す小蓮の作った料理が一般人になかなか受け容れられない様がストーリー内で描かれている。
花梨はそういった風潮を理解したうえで、「認められるまでは頑張るしかねぇべな」と、それらを払拭できるよう努力する意欲を見せている。
作中では、大衆から魔法使いへの信頼の尺度を表現する手段として、魔法使いの料理の話題が度々登場する。そういった情勢に着目しながらシナリオを読み進めるのも一興であろう。
ヒロインとして
花梨自身が物語の根幹に関わってくるエピソードの少なさゆえ、シナリオ内で花梨と転校生の間で特別な事情に由来する関係性が築かれることはほぼ無く、全編を通して「信頼できる仲間、友人同士」という間柄を貫いている。
しかし、ヒロインと転校生の会話を中心に展開する『生徒エピソード』においては、花梨は料理すること以外への自己評価が低いという一面を見せてくれる。
元より花梨は人に尽くすことを苦と思わず、激務に文句一つ垂れず笑顔でこなす一方、それらについて決して尊大にならない、へりくだりを地で行くような人間であるが、こと華美な品には「おらには似合わない」と余計に遠慮気味になり、小洒落た店には「場違いだ」と尻込みをしてしまい、その度に転校生ら仲間に諭されている。
ただ、そのように周囲に諭された際は素直に聞き入れているように、花梨は自己評価よりも仲間の言葉に全幅の信頼を置いている様が見て取れる。
自分よりも他人を強く信頼できる柔軟さは花梨のキャラクターを象る大きな要素の一つであり、頑なな生徒とも信頼を以て接することで打ち解けたり、時には敵ですらも正道に戻れると信じる様子を見せている。
そういった自己評価の低さゆえの他人を信じる心こそ、花梨の長所であり、強みであり、最大の魅力なのである。
毎朝畑仕事に精を出していることもあってか、顔は薄く焼けており、鼻と頰にそばかすが浮いて見える。
髪は白茶色で癖っ毛のセミロング。後頭部の髪を編んでまとめていることが多い。
自分が若干ふとましいのを気にしている。が、BMI基準で言えばお手本のような健康優良体型であるのでそこを勘違いしないように。
戦闘服は北欧の農民がかつて着ていた民族服をアレンジしたもののようである。
ケープの裾には野菜の柄が施されていて、胸元から膝上あたりにかけてミルクがスカートのように広がっている。全体を通して、実家の家業である酪農家としての意匠が凝らされている。
私服は各カードのイラストを見る限りフランクなものが多い。短パンを度々着用しており、肉付きが良い太ももを惜しげも無く見せてくれている。眼福。
- グリモア
制服のときは上着を着用せずワイシャツ姿で、スカートの下にはジャージを履いていることがほとんどだが、[田舎]のイラストを見る限り素足のときもあるようだ。
イラストのカット上目立たないが、ピンク色を基調とした牛柄の長靴を履いている。
花梨の象徴たる首のバンダナは制服の一部で、他の服の際はほぼ着用していない。
- グリモアA
制服時立ち絵のスカートが、15歳以上の生徒が着用する紺青色のものに変更された。
相変わらず上着は着ていないが、浦白七撫や間宮千佳のものと同じカーディガンを着用するようになった。
また、スカート丈が短くなりジャージも履かなくなったために脚の露出が大幅に増えている。靴も革製のロングブーツに変更されている。
- 料理部の面々
花梨が放課後の活動拠点としている料理部。そのメンバーとは非常に仲が良く、会話している場面も彼女たちとのものが一番多いだろう。
主人公の転入より大分前からの仲。
当時、周囲を遠ざけるましろにお構いなく料理を食べさせていたという関係が今も続いている。
互いが料理人の好敵手といった間柄。
突っ走りがちで何かとクセの強い料理修行に奔走する小蓮を諌めたり見守ったりする花梨、というような描かれ方が多い。
「食い専門」として料理部に在籍。
花梨の料理には小蓮のものと同じくらいぞっこんで、小蓮が本国で飯店を開くことになったら『花梨もクニに一緒に来たらいいのに』と漏らす一幕もあるほど。
正確には料理部員では無いが、飼育委員で一緒にいることも多い花梨に懐いている関係から、調理室によく入り浸っている。
料理の腕が絶望的とされる彼女の師匠として、年下ではあるがよく料理を教えている他、魔法祭や新年会などのイベントで偶に顔を合わせる。対抗戦において、二人の連携として発動する「クッキングデストラクション」とは破滅の料理という意味。そこまで言わんでも良いだろうに……
田舎イベで共演を果たした他、第19回選抜戦とその後の特級クエストでタッグを組むことになった。世話焼きの花梨と愛され体質のゆえ子、対照的が故に相性も良いらしく、特級クエスト後も千佳の身を案じるゆえ子に付き添って街に出るなど交流の描写がなされている。
主に田舎イベ前後で大きな関わりを持った。
花梨のSSR[田舎]のエピソードでは、1人でいることの多いミナを心配する花梨が、紆余曲折ありつつ打ち解けていく様が描かれている。
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