概要
『月刊まんがタウン』にて連載中の、野原ひろしになりきった一般人男性を主人公としたサイコスリラーグルメ漫画…ではなく、野原ひろしを主人公に据えた、正真正銘『クレヨンしんちゃん』のスピンオフのグルメ漫画、2024年1月号を最後に休刊になったのに伴い「クレヨンしんちゃん」と共に「まんがクレヨンしんちゃん.com」へ連載の場を移す。
漫画は塚原洋一。
なお、公式のスピンオフ作品ではあるが本作は2016年より連載開始でクレヨンしんちゃんの原作者である臼井儀人氏が死亡したのは2009年であるため、他の近年のクレヨンしんちゃんスピンオフ作品同様に当然原作者である臼井儀人氏は一切携わっていない。
当初は人気キャラのひろしが主役のスピンオフ作品ということもあり、クレしんファンから大きな注目を集めたが、連載が始まるや否や、ひろし人気と昨今のグルメ漫画ブームに便乗しただけのお粗末な内容であったため、ファンから総スカンを食らう羽目になった。
一方、本作の不人気ぶりやシュールな描写・内容がコラ画像やBB素材などのネタにされたり、本作のひろしが偽者扱いされてイジられるなど、別ベクトルで人気が出てしまった。
また、本作のひろしは作者の絵柄にある程度寄せて描かれている上に原作を意識したキャラクターデザインになっているので、目に感情が籠っていないように見えるシーンが多々あり、ひろしの出演コマを1つ切り取ると一流の殺し屋が会話しているように見えるなどと多方面でネタにされてしまっている。(なお、「断じてひろしではないがCV.藤原啓治なのは確か」とも言われる)
フォローしておくとブログなどで普通に評価している読者もおり、面白いと評価されている話もある。クレしんである事を意識しなければそれなりに楽しめる(それはそれでスピンオフ作品としてはどうなんだ?野原ひろしでやる必要があったのか?という評価もあるが)。
原作設定との違いに違和感があるのなら、別人や並行世界モノだと思って読めば先入観や違和感を感じずに楽しめるという風潮は、一部のファンの間で近年強まっている。
キャラクター
原作より
本作の主人公。
営業職であるためか、本作では外回り先で外食する機会が多い。原作では愛妻弁当ばかりで寧ろ外食する機会の方が少なかったのだが、逆に本作では愛妻弁当を食べる描写が殆んどない。第99話では珍しく弁当(タッパー弁当)食だったが…
原作と比べて食のこだわりに煩いが、それが原因で余計な問題を引き起こすことも少なくない。
また、そのこだわりもどうでもいいことで割とすぐ変節する(原作のひろしも結構な変節漢ではあるが)。
「昼飯のプロ」を自負する割には、ところどころで食レポが雑になる。予想外の事態に直面したときはほぼ必ずモアイ顔になる。語尾に“ぜ”が付くことが多い。最近、回を追うごとに目が死んでいっている(というよりは作者の本来の絵柄に近づいていってる)。
しかし、やはり根底にあるのは家族のため仕事に励む良き父である。
「うまい〜〜〜っ‼︎」
「男野原ひろし‼︎出されたものは残さず食べる‼︎」
「監督はこのオレ“ヒロシバーグ”‼︎今日のメシデミー賞全部門を総ナメだぜ‼︎」
「テーマパークに来たみたいだぜ テンション上がるなぁ〜」
「ナポリタンにピラフ こりゃまた懐かしいな」
「もうずっと興奮が止まらないんだよ‼︎最高だろ⁉︎」
顔は原作とアニメの中間ぐらい。
なお、2020年発売の「新クレヨンしんちゃん」10巻では、しんのすけから「昼メシの流儀とかいっていいモノ食べてそう」とジト目で見られてしまい、ひろしは慌てて否定している。本作を意識してのことだろうか?
ひろしの部下。性格が微妙にブレるためキャラが安定しない。奢ってもらう立場にもかかわらず、ひろしの倍の値段の商品を注文したり、女子しか行かないような店に平然と入るなど、妙にズレた行動を取る。ちなみに顔はアニメ版と同様のエラが張ったもの。
ご存知ひろしの妻。基本吹き出しやメールなど間接的に登場することが多い。第3話「回転寿司の流儀」にてしんのすけと共に直接登場した(ただし足元のみ)。原作よりもややヒステリック気味。
ご存知スーパー5歳児。みさえと同じく、間接的な登場がほとんど。語尾に“ゾ”が付く喋り方は原作と変わらない。みさえと共に第3話で登場したが、原作に比べ脚が長く違和感が半端ない。
オリジナルキャラ
- 遥
本作のオリジナルキャラ。当然原作には登場しない。様々な飲食店でアルバイトをしており、バイト先でひろしとよく遭遇する。自意識過剰な性格を治すためにバイトをしているが、ひろしがたまたま取った行動を目撃するたびに、彼を“自身のストーカー”と疑うなど、性格が改善する気配は一向に見られない。被害妄想に陥るたびになぜかくねくね悶絶している。
- 喫茶店のマスター
第6話から登場した喫茶店「サンフラワー」のマスターの老人。本作のオリジナルキャラ2。妙にボケているが料理の腕は確か。この人が登場する回はなにかと若き日のひろしの思い出話や家族とのほっこりするエピローグが多い。第86話にてソフィアというギリシャ人の若い妻が登場した。
- 大将
第43話から登場した「沖縄そばなんくる飯」の大将。同話では常連客のひろしに今週いっぱいで閉店することになったと告げ、ソーキそばにラフテーとポークをサービスしてくれた。その後、第65話にて息子と共に再登場。息子の経営する「沖縄ハイサイ食堂」の手伝いをしている。
第93話より 「父と子で店を経営するのは簡単じゃないと知ったひろしだった――」
- ケバブ屋の店主
第22話に登場。ケバブについて解説してくれる、中東系らしき店主。独特な解説シーンである事から、よくコラ素材に重用される。ちなみに、家族構成は野原家と同じ兄妹の四人家族である。
- 駅そばの大将
第35話に登場した駅そばの大将。10年近く前、ひろしの先輩と「こいつ(ひろし)が一人前になったと思ったらコロッケをサービスしてほしい」と約束を交わしていたひろしにとって思い出深い人物。そして今回その約束を果たした……と思いきや…