繁体字表記:鬥戰勝佛
簡体字表記:斗战胜佛
概要
『西遊記』第百回(最終話)において、取経の旅を終えた孫悟空に対し、釈迦如来が与えた名。
三蔵一行(玄奘三蔵、悟空、猪八戒、沙悟浄、玉龍)は「五聖」と呼ばれ、正果を得たと記される。
その顕われとして、悟空の頭に嵌められ縛り付けていた緊箍児はいつのまにか無くなっていた。
悟空以外のメンバーにもそれぞれ「旃檀功徳仏」「浄壇使者」「金身羅漢」「八部天龍」の名が与えられた。浄壇使者以下三名は後述の場面において「菩薩」とつけて呼ばれている。
そこに居合わせた者達が、古来から知られる仏菩薩達に彼等を加え「南無」と帰依の言葉を唱えるシーンで『西遊記』は幕を閉じる。
原典
「闘戦勝仏」はもともと『大宝積経』、『華厳経』(四十巻本、般若訳)などの大乗仏教経典に記された尊格である。サンスクリット語名は「ユッダジャヤ(Yuddhajaya)」。
阿弥陀如来や薬師如来のように人間の姿をした如来であり、猿などの動物の形象はない。図像表現では利剣と鎧の布を持物としている(参考)。
『大宝積経』優波離会等において「三十五懺悔仏」のリストに旃檀功徳仏と共に闘戦勝仏が名を連ねている。
曇摩蜜多訳『観虚空蔵菩薩経』のリストでは前者に似た「旃檀徳仏」の表記と共に闘戦勝仏が挙げられている。
『華厳経』四十巻本(この他に六十巻本と八十巻本がある)の漢訳では「闘戦勝如来」の表記がみられる。
闘戦勝仏が孫悟空と結びつけられたのは明代に集大成された版においてである。17世紀の朝鮮で編まれた書『朴通事諺解』や元朝時代の中国の『西遊記平話』に記された古形の物語では、取経後の彼に与えられた名は「大力王菩薩」となっている。
関連タグ
悟空インパルスガンダム:強化形態「斉天大聖悟空インパルスガンダム闘戦勝仏」を持つ。