もしかして
『大怪獣総攻撃』の防衛軍
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では自衛隊に相当する組織として防衛軍が登場している。日米安保条約に相当する日米平和条約が締結されており、出動の際には閣議を開く必要があるなど概ね(制作当時の)自衛隊とほぼ同じ位置付けの組織である。
ただし自衛隊の基地は存在しない厚木基地に防衛空軍の基地が存在する、准将という自衛隊には相当する階級のない階級が存在する、管理をする省庁が防衛省であり(制作当時はまだ防衛庁だった)、それにより長が長官ではなく防衛大臣であるなど、制作当時の自衛隊と異なる描写もある。
その他幕僚監部に相当する組織として情報管理室、官僚側の組織として軍令部が存在する。
登場した装備は防衛陸軍はメイン画像の大鵬とM2ブラッドレー歩兵戦闘車を除けば90式戦車や82式指揮通信車など自衛隊と同様の装備だが、防衛海軍は巡洋艦あいづや特殊潜航艇さつま、防衛空軍はF-7J戦闘機など自衛隊と異なる装備を有している。
ただし防衛海軍については名前のみだがむらさめ型護衛艦やはるしお型潜水艦が所属している描写がある。
なお冒頭の書類では、米原子力潜水艦救助に派遣される艦艇が、さつま、むらさめ型となっているが、小型艇のさつまのみで現場海域へ向かうとは考えにくいため、史実のむらさめ型と異なり、運用のためにクレーン(あいづでは格納庫付近に搭載)を装備している可能性がある。
余談
金子修介は正月映画としてのお祭り要素を重視すること、対ゴジラへの出動をスムーズに描写するために軍という設定にしたと言及している。また長谷川圭一は過去作品のゴジラ対策機関のような国連機関や特務機関ではなく軍にしたことが金子のこだわりだったと述べている。
また日米安保条約と日米平和条約は内容が異なっているらしく、F-7J戦闘機や大鵬など東側を思わせるデザインの兵器は東欧から輸入しているという設定らしい。
製作の富山省吾は今作でも防衛庁に協力を依頼したが「自衛隊であれば協力できた」と断られてしまった。