「角度の問題じゃない!」
概要
F-7Jとは、映画『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』に登場する日本の防衛空軍が装備している架空戦闘機。……というより航空自衛隊F-15J戦闘機の制空迷彩塗装で日の丸を付けたロシア製艦上戦闘機Su-33そのものである。
劇中では厚木基地所属の4機が登場。
レーザー誘導爆弾「ペイブウェイ」を搭載し、これをゴジラに投下して攻撃するが、全く歯が立たなかった。最終的にゴジラの放射熱線で4機とも撃墜され、数機の残骸が民家に突っ込んでいる。
冒頭のセリフは、角度を変えて再攻撃しろとの三雲防衛軍中将からの指示に対するパイロットの絶叫。
余談
神谷誠によると絵コンテの段階ではもう少し出番が多かったが全体のバランスを考慮して出番が削減されたという。
F-7「J」とあるがこれは日本仕様を意味するJなのか、サブタイプのJなのかは不明。
資料によってはベースとなった機体がSu-27でロシア製であると明記されている。
金子修介監督によると本作における日米安保条約に相当する日米平和条約は日米安保条約の内容と異なっており、防衛軍の兵器の多くが東欧から輸入しているという設定になっているらしい。
史実の自衛隊でもロシアが日本にSu-27を売り込んだことがあるが、導入計画といえるほどのものではなかった。
搭載する爆弾はアメリカ製のレーザー誘導爆弾「ペイブウェイ」であり、ロシア製の戦闘機にアメリカ製の爆弾を載せた日本空軍の戦闘機というなかなか複雑な構図になっている。
ちなみに実際に東側の戦闘機が西側の装備を搭載した例も、冷戦時代終結後には多数確認されている。
F-7Jの発進した厚木基地は、現実では海上自衛隊の航空部隊しかおらず、空自などの戦闘機部隊は配備されていない。ただし、在日米軍の艦載戦闘機の部隊が2018年まで配備されていた(現在は岩国基地へ移転済み)。
アニメ映画シリーズでの登場
アニメ映画の前日譚を描いた『怪獣黙示録』にも少しだけ登場する。
地球連合によるノルマンディーへの上陸作戦中、欧州奪還部隊を奇襲したビオランテへの反撃を試みるが、ビオランテの放つレーザーカッターの様な高圧噴流の酸により、巡航ミサイルなどと共に撃墜されている。