概要
『ゴジラの逆襲』で初登場した兵器。デザイン・造形は渡辺明で「画面を派手にしたい」という目的で登場したとされている。
3軸のシングルキャブ型トラックの荷台に24連装のロケット砲を搭載したもので、
ロケット砲部分に仕込まれた火薬を発射する際の「ポン、ポン」という音から「ポンポン砲」という愛称がついた。
『空の大怪獣ラドン』に登場したものは運転席の天面にレーダーが取り付けられた。
『地球防衛軍』ではレーダーを取り外され、荷台の手すり部分の形状や鋲の数が異なっている。モゲラの放った光線で炎上したため、この作品で初めてやられ役として登場した。
本作以降に登場したポンポン砲は概ね『地球防衛軍』の外観で登場している。
『大怪獣バラン』では上陸用舟艇に搭載される形で羽田沖でバランを迎撃するという変則運用された。
『怪獣大戦争』にも登場したが、映像のほとんどが『空の大怪獣ラドン』の流用だった。数少ない新規カットでは珍しいことに車体側面に砲台を旋回させて発砲している。以降の作品では映像の流用で登場である。
『ゴジラVSビオランテ』と『ゴジラVSデストロイア』には本車の発展型らしき兵器が登場した。
『ゴジラVSメカゴジラ』の撮影では、61式戦車らしき車体に24連装ロケット砲を取り付けた兵器が使用された。
その他の平成ゴジラシリーズでは類似した実在兵器である75式130mm自走多連装ロケット弾発射機が登場している。
余談
『宇宙大怪獣ドゴラ』では24連装ロケット砲を単発のロケット砲に載せ替えたものが登場する。
『ゴジラ×メカゴジラ』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場した88式地対艦誘導弾は「平成のポンポン砲」という通称で呼ばれていた。
『GODZILLA 怪獣黙示録』には本車をモデルにしたと思われる米軍の退役装備「24連装自走ロケットランチャー」が登場しており、ゴジラに対する米軍の総力戦に際し、倉庫から引っ張り出されている。
24連装ロケット砲車と似たような外観・演出の架空兵器は、『ウルトラマン』『ウルトラマンレオ』『ミラーマン』『マグマ大使』『怪獣王子』などといった、東宝以外の特撮作品にも登場している。
近年では『ウルトラゾーン』で姿を見せており、撮影現場では「ポンポン砲」と呼ばれていたらしい。
撮影用模型は『ゴジラVSビオランテ』で発展型に流用されたロケット砲塔が2009年時点で東宝の倉庫に保管されているのが確認されているほか、『ゴジラ対ガイガン』で撃破される描写に使用された模型の燃え残りの砲塔を原口智生監督が回収して保管している。