概要
怪獣特撮映画『ゴジラシリーズ』に登場する架空の艦艇。2001年公開の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』と、2003年公開の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』に登場する。
こんごう型護衛艦の艦橋構造物の上部をせりあがらせてタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の船体にくっつけたような外見が特徴。艦橋のSPY-1レーダーなど一見イージス艦を思わせる外観をしており、デザインを担当した清水剛によるイージス艦とのコメントもあるがVLSは見当たらない。確認できる武装はMk.45mod2 5インチ単装砲、ファランクスCIWS、アスロック用8連装ランチャーなど。
登場作品
ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃
防衛海軍巡洋艦として登場。艦番号DDH-147。劇中テロップでも巡洋艦と表記されているが、艦種表記のDDHはヘリ搭載駆逐艦を意味し、パンフレットにも汎用駆逐艦と表記されている。もっとも、史実の海上自衛隊では、DDHをヘリコプター搭載護衛艦という意味で使用しており、はるな型としらね型は駆逐艦クラスだが、ひゅうが型は全通甲板を備えた、他国での軽空母クラス(事実上のヘリ空母)であり、更に発展型のいずも型に至っては事実上の軽空母である。
上記の武装のほか、SH-60ヘリコプターと特殊潜航艇「さつま」及び、さつまを海面へ降ろすためのクレーンを搭載する。同型艦としては「あこう(DDH-148)」が存在。
重量5300tとこのクラスの戦闘艦にしては軽い(こんごう型護衛艦は基準排水量7250t、タイコンデロガ級巡洋艦もVLS非搭載の初期型ですら基準排水量6997t)。
劇中では「あこう」と共に横浜でのゴジラとの戦闘に投入される。しかし放射熱線による反撃で「あこう」が爆沈、「あいづ」も損傷する。
命名は金子修介監督。搭載する「さつま」と合わせて「対立する会津藩と薩摩藩が力を合わせる」イメージとした。
清水剛は迫力を出すために長門型戦艦や原子力空母エンタープライズを参考に艦橋をデザインしたと語っている。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS
はたかぜ型護衛艦2隻とともにゴジラと交戦し、54口径127mm単装速射砲、ハープーン対艦ミサイル、アスロック対潜ロケットでゴジラを攻撃する。特に反撃を受けることはなかったものの、ゴジラを取り逃がしてしまった。
大怪獣総攻撃の時から若干造形が変わり、主砲も54口径127mm単装速射砲に変わっている。代わりに艦橋前部のCIWSは撤去されている。
さらに戦闘シーンでははたかぜ型に搭載されていない76mm単装速射砲とボフォース対潜ロケットの射撃映像のカットが一瞬映ることから、これらを搭載している可能性もある。
絵コンテの段階では、後部甲板にメーサー殺獣光線車を搭載してゴジラを攻撃し、放射熱線で反撃されるという描写もあった(参照)。画面の構成が難しいことと特撮シーンのバランスの都合でカットされてしまった。
このシーンの撮影用に製作されたメーサー殺獣光線車の爆破用模型は首都高速道路での戦闘シーンに使用されている。
アニメ映画シリーズ
アニメ映画の前日譚を描いた小説『怪獣黙示録』にも「赤穂」という同型艦らしき巡洋艦が少しだけ登場する。地球連合によるノルマンディーへの上陸作戦中にビオランテに奇襲され、触手に絡み取られて一瞬のうちに海中へと引きずり込まれてしまった。