CV:桑島法子
概要
時は幕末。蘭学医の父、雪村綱道は娘と離れ京都で仕事をしていたはずだった。しかし、ある日連絡が取れなくなった父を心配した千鶴は京都を訪れる。
京都で浪士に絡まれ逃げていたところ、血に飢える化け物、羅刹に会い、千鶴がそこで見たのは、その化け物を切り伏せる新選組の隊士(土方歳三、沖田総司、斎藤一)だった。羅刹は幕府の機密情報のため、土方や沖田などに殺すと言われたが、行方不明の父を捜す手立てとして生かされることとなった。
真面目で大人しく、控えめな性格をしているがいざという時は周囲が驚くほど頑固になる。
基本的に相手を「苗字+さん」で呼ぶが、藤堂とは年が近く彼のフランクな性格も相まってお互い名前で呼んでいる。剣術を習っていた経験があり、一時は斎藤から京都の町を歩かせられるレベルと判断されたが、決して斬り合いに強いわけではない。
真改で新たな攻略キャラとなった伊庭八郎とは幼少期からの知り合い。
年齢は不明だったが、『薄桜鬼真改』の特別付録としてついてきた冊子によると16歳。
外見
身長155㎝。長い黒髪を高い位置で結わえている。普段は袴を着用し腰に小太刀を下げて男装しているが、一部の人間からはすぐ見破られており男装のレベルは低いのかもしれない。任務で島原に潜入するため芸妓恰好をした際には隊士たちが見とれるほど美しくなったが、それゆえ不逞浪士たちに絡まれてしまうことに。
公式発表によると胸が甘食レベルしかない。そのため男装する際にもさらしを巻いておらず、制作スタッフも公式ブログで「まな板宣言」を出していた。ただし決してスタイルが悪いわけではなく、絵師のカズキヨネ氏曰く膝枕を数秒するだけで相手を夢見心地にすることが出来る太腿の持ち主らしい。
評価
嫌われやすいと言われている乙女ゲーム主人公の中では特に人気が高い。
人気の具体的な例としては以下の通り。
- 某乙女ゲーム雑誌で好きな主人公ランキング3年連続で1位になる。
- 乙女ゲーム主人公としては異例の抱き枕カバー、キャラソン、フィギュアが発売された。
- 2016年にアニメ化された『薄桜鬼御伽草子』がニコニコ動画で放送された際に彼女の登場シーンが多くのファンのコメントにより見れなくなる。
- 2023年12月にねとらぼ調査隊が行った「桑島法子さんが演じたテレビアニメキャラで一番好きなのは?」のアンケートで有名作品のキャラがランクインする中、千鶴は2位になる。
- 2024年4月ににじめん編集部が「攻略したい乙女ゲームのヒロイン選手権」を開催した際に千鶴が(本編第一作の発売から10年以上経過しているにもかかわらず)1位になる。
実際、攻略対象はもちろんのこと主人公である彼女に惚れてしまうファンもおり、彼女目当てでゲームを購入するプレイヤーも少なくない。人気声優でありスピンオフにも出演した杉田智和氏も彼女のファンであることが明かされた。
小太刀はさしているものの彼女自身が全く戦えないのはディレクターいわく、これはわざと。最も大きな理由として挙げられるのは攻略対象たちの強さをはっきりと明確に伝えるため。
というのも薄桜鬼は「激動の時代を駆け抜けた男たちの背中」をテーマにしているため、「男性陣と共に進み共に戦う」主人公よりも「どんなに辛い時でも傍らに寄り添い、彼らの背中を追い続ける」主人公の方がその意図を伝えやすいと判断したから。加えて彼らが生きた時代の常識が「女は守られるもの」だという事にも関係している(実際に女性が活躍を認められ始めたのは明治時代に入ってから)。
現在はあまりいないが、アニメが放送された時には「戦えばいいのに」「お荷物」という女性などもいた。が、ディレクターの発言を考えるとゲームの概要を理解していないと言える。
とは言え決して守られてばかりのお荷物ヒロインと言うわけではなく芯の強さと苦しく辛い状況にも逃げずに立ち向かえるだけの度胸があり、それがのちに攻略対象およびファンからの好意を貰うきっかけとなる。また、新選組の雑用を日々積極的にこなしており、遊戯録弐では斎藤から「あんたが居なければ困るほどに十分役に立っていると思うが」とまで言われている。
戦闘や諜報、それによる戦果といった形のハッキリと分かる成果ではないものの、彼女のおかげで多くの隊士たちが助かっているのもまた事実である。最近発売された真改のドラマCDではあの悪態をついてばかりだった沖田すらも「あの子には結構助けられてるよね、僕達だけじゃなくて新選組全体がさ」と褒めるほど。
一方の千鶴自身は自分が戦えず、守られる存在であることをとても気にしているのは事実ではあるが…。
製作スタッフから見ても千鶴は思い入れのあるキャラらしく「薄桜鬼のヒロインは千鶴だけ」と太鼓判を押されている。
薄桜鬼SSL
薄桜学園唯一の女子生徒。家は診療所だが養父が離島に行っているため一人暮らし。
以下、重大なネタバレ
彼女の正体は日本に古くから住まう純血の鬼。
人間との交わりが進んだ今では純血の鬼の一族というのはかなり珍しく、そのことをきっかけに風間千景に目をつけられる。
彼女の一族は東で最も大きな一族だったが、人間たちの理不尽な理由により、皆殺しにされる。生き残ったのは彼女と生き別れた双子の兄、南雲薫。そして血は繋がっていない分家の父、雪村綱道のみ。
彼女自身はこのことを全く覚えておらず(あまりの衝撃で記憶が混乱したらしい)、綱道自身も千鶴に教えることはなかったため彼女は新選組と出会うまで己が出生の秘密を知らずに生きてきた。
彼女の誕生の秘密はこの物語にとって重大なカギとなる部分である。
この後の展開は是非自分の目で確かめてほしい。