概要
タイトルの『非-魔法少女』は「ナル マホウショウジョ」と読む。
SF作家である草野原々によるスピンオフ小説。絵は春花あや。
『魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Book』のvol.1〜3で連載された。まんがタイムきらら公式Twitterで抜粋版も公開されている。
ストーリー
二〇二一年三月。 二十四歳の霧羽こさねは、 けがをきっかけに自分には脳がないことを知る。 そんな中、キュゥべえが十年ぶりに彼女の前に現れる。 自分は脳の代わりにキュゥべえの細胞を移植した腫瘍で思考していること。
さらには自分を中心にして時空連続体が崩壊しつつあることを告げられたこさね。
頭蓋骨の中に置いてあった双子の妹・えるなからの手紙に導かれて、「時間鉄道」に乗車する。
その直後、車内で出会った魔法少女の集団に頭を殴られて気を失い──。
(まんがタイムきらら公式Twitter 、第1話あらすじより)
作品解説
主人公の霧羽こさねと同行者のキュゥべえを中心に、産まれて来なかったはずの妹えるな、人類の認知革命の謎、数十万年後の人類の進化、人類以外の知的生命の魔法少女の可能性など本編とは異なる方向で人類史的、宇宙的規模なストーリーが展開されている。
人類学者で歴史家のユヴァル・ノア・ハラリの書籍『サピエンス全史』における認知革命虚構を作り、信じて共有する能力が重要なテーマになっている。
また、タイトルの由来がA・E・ヴァン・ヴォークトの小説『非Aの世界』であるほかSF小説のパロディ・オマージュが多い。
登場人物
この物語の主人公。24歳の女性で大学院生。非-魔法少女。
14歳の時にキュゥべえと出会うが、魂を持たないため魔法少女になることができなかった。
人差し指を眉間に当てて銃のように撃ったふりをするごっこ遊びを数年前から毎朝行なっている。インスタントコーヒーの粉末を口に含んでやかんからお湯を直飲みするなど生活はかなりズボラ。就活に失敗したため今年の春からは無職。修士論文のテーマは『認知革命』。
自分の頭蓋骨の中に脳がなく、キュゥべえの細胞を移植した腫瘍で思考していることを知る。
名前の由来はA・E・ヴァン・ヴォクトのSF小説『非Aの世界』の主人公ギルバート・ゴッセン。
ネコとウサギを掛け合わせたような謎の小動物。
14歳のこさねの前に姿を現し契約しようとするが、こさねには魂がなく魔法少女になれなかったため監視を続けていた。
本作ではこさねに魔法少女の真実を早々に明かし、行動を共にするなど割と協力的。
こさねの空洞の頭蓋骨に入り込むこともある。
こさねの双子の妹。一卵性双生児だったが産まれる前に亡くなっている。
こさねの幼い頃のイマジナリーフレンドだった。
亡くなっているはずだが、彼女からの手紙がこさねの頭蓋骨の中から見つかる。
こさねが八十万年後の未来で出会った旧人類。黒いローブを纏った貧相な身なりの魔法少女。武器は刀の二刀流。ざっくばらんな口調で、一人称はおれ。
非-人類魔法少女部隊の結成するため、こさねに非人類知的生命体の感情のマネージメントを依頼する。
名前の由来はA・E・ヴァン・ヴォクトの小説『宇宙船ビーグル号の冒険』に登場する地球外生物クァール。
- 魔法少女人類《ホモ・マギカ》
八十万年後の未来で進化した人類であり魔法少女。容姿は可愛らしい少女。ソウルジェムを濁らせることもなく、魔女化することもない。
- 旧人類《ホモ・サピエンス》
人類。八十万年後の未来で《ホモ・マギカ》に滅ぼされつつある種族。銀河辺境の惑星ターミナスを最後の拠点にしている。
- 非人類知的生命体たち
人類以外の知的生物たち。旧人類と同様に惑星ターミナスに身を寄せている。
人類がその心を想像することが不可能なほど異なる生態や精神構造を持っている。
- クロノス
被捕食者から頂点捕食者へと変態を繰り返す生命体。生態系ピラミッドの全てがこの種のみで構成されている。
- ヘーミテオス
個体に知性がない代わりに、精子や卵子などの配偶子に知性がある生命体。故郷の惑星の環境が厳しかったため、配偶子が動きまわり自然淘汰に晒されてこのように進化した。
- ミーディアム
天然の情報生命体。故郷の惑星の生物は単独で生殖する能力を持っておらず、ミーディアムに遺伝情報を渡すことで生殖する仕組みを持っていた。進化の過程でミーディアム内部の遺伝情報が複雑化し、他の生物をより効率的に操作するようになっていった。
各話リスト
本編
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 序:西暦二〇二一年 |
第2話 | 破:魔法少女人類 |
第3話 | 急:内宇宙への道はどちらか? |
関連タグ
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