「水も食料も有限だ 生き残る者は選ばれねばならない」
「おまえは違うというのか」
概要
また戦闘時においては右原篠生同様フルフェイスヘルメットを装備する様子も見られる。
元は他の武闘派やサークル同様聖イシドロス大学の学生で、パンデミック発生時は大学内で日常が崩壊する様子を目の当たりにした。
性格
常に最悪の事態を想定して行動する現実主義者。
作中でも度々高圧的な行動を取り、生き残る為様々なルールを決め、武闘派を纏め上げていた。
その為戦えない人間を不要と見なしており、そういった人間が多いサークルのメンバーを見下している模様。
更に猜疑心もかなり強く負傷した武闘派のメンバーが感染の疑いがあるという理由で排除された事が出口桐子に示唆されている。
戦闘能力
実力主義の武闘派でトップに立っているが、その実力は未知数。
というのも上述のように隆茂と組む事が多く、単独での戦闘描写は皆無なのである。
回想シーンではゾンビ1体を処理したが、この時も隆茂らと囲んで袋叩きにしており更に巡回に向かった様子もない。
威圧目的でも有効なボウガンを自ら使った事が殆ど無く主に高上や朱夏が用いている事から二人程射撃の腕は高くない事が予想される。
余談
- 名前について
初登場から長らく名称不明(単行本8巻で漸く判明)のキャラで、「リソースは一元化しないとな」という台詞からリソースさんという渾名で呼ばれており本名判明以降も渾名で呼ばれる事が多い。
関連イラスト
関連タグ
武闘派メンバー
サークル(自堕落同好会/くっちゃね友の会)・その他
以下ネタバレ注意
「おまえらか……」「俺が憎いか……」
「くそっ」
「何のために俺は生き残った」
「何のために俺は殺した!」
「生きるためだ! 生き残るためだ!」
その本性は自分が生き残る事しか考えていない自己中心的な人物で、現実主義者としての振舞いも武闘派を纏める為の方便に過ぎない。戦えない人間等を排除する内に自分は生き残るべき選ばれた存在だと思い込むようになり、今はサークルのメンバーを見下すだけで無く武闘派のメンバーすら自分の身を守る為の駒としか考えていない。また終盤では思い通りにならず感情的になったり終いには自分が作った規則さえ拒絶したりするなど己の命さえ助かれば周りがどうなろうと知らんとばかりの身勝手さが顕如に現れていた。
また基本自分の安全を優先し安全が確保されないと単独で行動しない他、学園生活部やサークル襲撃時自身は篠生と朱夏を同行させたが自身は脅迫しかしなかった。
活躍
大学に来た学園生活部を隆茂と追い回すもサークルに邪魔され引き返す。翌日サークルを呼び出し学園生活部の件で問い詰めたが彼女達とのいざこざを指摘され高上聯弥に責任を押し付け、物資と情報の提供を求めるも拒否される。その後メンバーを集め会議を開き、外の世界の情報入手と資源の長持ちを目的に、「リソースの一元化」を企む。しかし、その夜高上がゾンビ化し、その一件で武闘派は疑心暗鬼に陥る。
貴人は彼女らと高上が接触した事やキャンピングカーに荷物を積んでいた事を根拠に「高上のゾンビ化は学園生活部の仕業でサークルのメンバーと夜逃げをしようとしている」と推測しサークルや学園生活部の拘束に動くも隆茂が帰らず、それでも胡桃以外の全員を確保するが体に異変を感じた上、確保した全員が脱出してしまうという事態に直面し徐々に精神が不安定になっていく。
その後話し合う為残った出口桐子らに上記の件を問い詰めるが自身の理屈を次々と論破され苛立ちが爆発、桐子の主張を詭弁と一蹴し彼女に掴みかかり一方的に犯人扱いする等周囲に精神不安定が露呈した上解毒剤の要求や異常な呼吸から自身が感染した事が発覚し武闘派のルールに則り篠生が対峙するも命惜しさから逃走する。
逃げた先で美紀と遭遇し高上の件で詰め寄るも空気感染の事を知り更に不安定になる。しかしそれを否定し彼女が解毒剤を持っていると思い込み要求するが、結局発病している事が露呈し逃げられてしまう。
排除した人々の幻覚が見える程追い詰められた貴人は美紀から解毒剤を奪う為に大学の門を開放、釘バットを叩きつけ音を鳴らしゾンビを誘き寄せると言う暴挙に及ぶ。
この事態に学園生活部やサークルが対処している所に車で襲撃しボウガンを向け美紀に尚も解毒剤を要求し記事冒頭の台詞で自身の思想を突きつけるが美紀から「生きてればそれでいいんですか?」と反論され激昂し彼女を射殺しようとするも、篠生に腕を刺され口論の末逆上し素手で彼女に襲いかかり返り討ちに遭った上完全に見限られ、胡桃や昌らにも囲まれ為す術も無く逃走。
その後「墓」の辺界で更に幻聴に襲われるが自身のルールすら拒絶し最期まで足掻こうとする。そこに朱夏が現れ今後の事を話し合うも「俺は選ばれた」という言葉に自分こそ選ばれた存在と思っていた彼女は反論し貴人は墓に突き落とされ体に火を点けられ死亡した。
総評
武闘派のリーダーとして振る舞っていたが組織の結末を鑑みれば無能と言って差し支えない。
例として
- メンバーが戦闘員に偏りすぎている
- 物資調達は同じコンビニで行った描写しかない
- 戦えない仲間は容赦なく切り捨てる(しかもそれを隆茂達にさせ己の手は汚さず、その表情も罪悪感の見られない物であった)
- 水や電気等のインフラや食料庫の確保は戦えないと言う理由で切り捨てた人間が行っている(結果戦えず価値の無いと捨て置いたサークルの立場がほぼ対等となった)
- 空気感染のリスクを想像せず隔離体制は完璧と宣う
- 高上殺害の容疑も碌に調査せず襲撃し晶に反論された挙句桐子に論破され、言葉を詰まらせる醜態を晒す
- 自分が楽しむ為意味も無く仲間を殺す危険人物に気付かない所か自分に次ぐ地位に据える
と、思慮の欠ける言動が見られた。
結果として十数人のメンバーがいた武闘派は学園生活部が来た時は五人だけになっていた。
貴人が初登場した際、彼は隆茂と二人で必死に逃げる美紀と胡桃を追い回していた。何故そうなったかは描写が無く不明だが
- 彼女達がキャンピングカーに乗り込んだ際「待てっ!」と言っていたり車でクラクションを鳴らしながら執拗に追跡したりしていた。
- その後の話で桐子と比嘉子がランダル・コーポレーションの部隊と接触するか相談していた時桐子が「武闘派みたいなやつらだと困るし…」と発言している。
これらの様子からサークルを呼び出した時のように高圧的な態度で物資を要求しただけならまだマシな方で下手をするといきなり襲いかかり物資を奪おうとした可能性もあり得る。
極めつけに人には色々言い要求等を行うが、
- 新しい発見物は分かち合う約束をしたにもかかわらず自分はドローン3台を使わず全て倉庫に隠した。この約束は比嘉子がインフラや食料庫を見つけた際自分達も使う為に決めたと思われるが、使わない物でこれでは恐らく最悪食料の数をごまかしていた可能性もあり得る。(それを見抜かれてか貴人が学園生活部の物資や情報を要求するも物資は晶に「学園生活部の物」と拒否され情報も桐子にはぐらかされる形で失敗に終わった。)
- 稜河原理瀬の尋問では彼女の話は明らかに聞く価値も無いという態度で「仲間が増えた分俺たちを間引こうとしたのではないか?」と言ったり、したり顔で「図書館にひきこもってるやつがよく言う」と揚げ足を取ったりしたが前者は自分達が既にそれを行い後者も人手不足となった今では巡回も身体検査もメンバーに丸投げし自分は殆ど安全地帯で指示を出すだけとハッキリ言って他人をとやかく言う資格は無い。
- 高上の件に加えゾンビ化した彼の処理も自身が決めたルールに則ったにもかかわらず篠生との口論で「高上はおまえが……」と彼女一人に罪を押し付けようとする(これには流石に大人しい性格の彼女も「うるさいっ」と声を荒らげた)
と、大半が自分を棚に上げている。
このように自分は上っ面だけはリーダーとして取り繕うが、他者を見下した態度を取り自分の非や失敗は認めずルールや責任を一方的に押し付け自分はそれを拒否すると身勝手な振る舞いをし続けており、こうした責任感の欠片もない言動からかサークルだけでなく武闘派の中にも信用されていない描写が見られ、これらの所業や追い詰められた際の暴走が結果として武闘派の分裂・崩壊の要因となった。
その結果味方を失いサークルのメンバーにすら武器を突きつけられた事で実質的な追放という形で大学を追われ、最後は味方だと思っていた人間に切り捨てられる形で「墓」に落とされるというまさに自分が他人にして来た所業が返ってきたかのような文字通り因果応報な最後を遂げることになった。